Rie a.k.a. Suzakuがジャクソン JSシリーズをチェック!

多彩なシリーズでさまざまなメタル・ギターを発表しているジャクソン。なかでも価格を抑えたJSシリーズは、その高いコストパフォーマンスで人気を博している。今回は、そのJSシリーズに加わった6本の試奏レポートをお届けしよう。チェックしてくれたのは、自身もジャクソンを愛用しているRie a.k.a. Suzakuだ!
※WeROCK 073の掲載記事より。

ジャクソン JS SERIES King V JS32
¥70,000+税

〈仕様〉 ●ボディポプラ ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:フロイド・ローズ・ライセンスド・ダブル・ロッキング・トレモロ ●カラー:ホワイトwith ブラック・ベヴェル

■JS SERIES King V JS32が通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105933.html

——まずは、キングVですが、ふだんからランディ・ローズVを弾いていますよね。でも、同じVだけど全然違いますか?
Rie:キングVはほとんど弾いたことがなかったんですけど、やっぱり全然違いますね。あと、まず、軽さに驚きました。
——どのあたりが違います?
Rie:まず、私のランディVと比べるとキングVはボディも大きいなと。ボルト・オンのVシェイプをちゃんと弾くのは初めてかもしれないぐらいですが、低音弦側のハイ・ポジションの弾きやすさが、ランディVの感じとは違います。どっちも弾きやすいですけどね。
——ネックを握った感じは?
Rie:そこは、ふだんメインで弾いているランディVとも変わらない気がします。そんなに太くもなく細くもなく、薄くもなくという感じですね。指板のエッジもなめらかですよ。
——指板はジャクソンならではのコンパウンド・ラジアスという、ハイ・フレットに行くほど平たくなるというタイプです。ここも弾きやすさのポイントになりますか?
Rie:ふだんからジャクソンを弾いているから、これが私の標準なんですよ(笑)。だから、たまに違うギターを弾くと、私はちょっと違和感があったりするんです。
——音についてはどうですか?
Rie:クリーンはいい意味でこもっているというか少しミドルからローにかけてポイントがある印象ですね。独特の感じというか深みがある気がします。逆に歪みは、ハイが少し強めでジャキジャキしている。でも、そこまで粒は粗くない印象ですね。
——Vシェイプのギターは一般的にはミドルが強いという印象ですが、歪みはそうではない?
Rie:マホガニー・ボディとかだとそうなるんでしょうけど、このキングVはボディ材がポプラということもあって、Vらしくない音かもしれないですね。ふだん使っているランディVはもう少しミッド寄りなので、それとも違う印象です。
——タイプとしては、どういうギタリストにオススメですか?
Rie:メタル・ギタリストですよね。しかも、見た目の印象ですけど、大柄な人とか男性のほうが向いているかもしれない(笑)。 


ケーブル・ジャックはボディ側面に設けられている。
また、ボディ・エッジが斜めにカットされている


ジャクソン JS SERIES Dinky Arch Top JS32TQ DKA
¥58,000+税

〈仕様〉 ●ボディ:キルテッド・メイプル・トップ+ポプラ・バック ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:ジャクソンTOMスタイル・アジャスタブル(裏通し) ●カラー:トランスペアレント・ブルー(写真)、トランスペアレント・ブラック

■JS SERIES Dinky Arch Top JS32TQ DKAが通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105937.html

 

ジャクソン JS SERIES Dinky Arch Top JS22 DKA
¥45,000+税

〈仕様〉 ●ボディポプラ ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:2点式フルクラム・トレモロ ●カラー:メタリック・ブルー(写真)、スノー・ホワイト

■JS SERIES Dinky Arch Top JS22 DKAが通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105930.html

 

ジャクソン JS SERIES Dinky Arch Top JS32 DKA
¥45,000+税

〈仕様〉 ●ボディポプラ ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:2点式フルクラム・トレモロ ●カラー:サテン・ブラック(写真)、ブライト・ブルー

■JS SERIES Dinky Arch Top JS32 DKAが通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105932.html

 

——続いては3本のディンキーを弾いてもらいました。全体的にどういう印象でした?
Rie:キングVもそうでしたけど、全体的にボディの軽さに驚きました。私が持っているディンキーと比べると軽いです。軽いけど、持った感じのバランスも悪くないと思います。
——アーチ・トップという点はどうですか? ディンキー最初のモデルはフラット・トップだったので。
Rie:でも、私が持っているディンキーもアーチ・トップなんです。だから、違和感なく弾けますね。
——ハイ・ポジションでの弾きやすさを狙って、ネック・ジョイント部を少しカットしてあるのもポイントですね。
Rie:そうですね。個人的に24フレットまで使うことはほとんどないんですけど、ボルト・オン・ジョイントでもハイ・フレットが弾きやすいです。キングVと同じで、もともとネックもそんなに太くないですしね。
——サウンドの傾向は?
Rie:アンプをクリーン・セッティングにして弾くと、いい意味でクセがないという印象を受けました。上から下まできれいに出てくれます。歪ませると、ピックアップが高出力なタイプだからか、“音、デカい!”と思いましたね。極悪なトーンが出せつつ、ボディがズンズンと響いている感じもしました。
——ブリッジがフロイド・ローズ・ライセンスドのモデル(JS32)、シンクロナイズド・トレモロのモデル(JS22)、あとチューン-O-マチック(JS32TQ)のモデルと3タイプあるけど、やっぱりそれぞれ音は違う?
Rie:ボディやピックアップは同じなんですけど、ブリッジの違いや塗装の違いなのか、音に違いがありますね。大きく違うわけではないんですけど、アンプで歪ませた時に、歪みの粒はJS32がいちばん粗いという感じがしました。で、JS22のほうが弾いていてズンズンと来る感じがします。歪みのニュアンスは、個人的にはJS22のほうが好みかなあ。で、JS32TQはボディ・トップがキルテッド・メイプルのためか、歪みに明るさがありますね。歪みの粒は細かめに感じます。クリーン・トーンでは、歪ませた時ほどの差はないと思いました。3モデルとも音の分離も悪くないし、バランスもいいと思います。ただ、JS32は少しカラっとしたクリーンかなと。

ノン・トレモロ・モデルのみボディ・トップにメイプルが張られている。
アーチド・トップと相まって高級感を漂わせる

ジョイント部はボディが薄くカットされ、ハイ・ポジションでの演奏性を高めている


ジャクソン JS SERIES Warrior JS32
¥65,000+税

〈仕様〉 ●ボディポプラ ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:フロイド・ローズ・ライセンスド・ジャクソン・ダブル・ロッキング・トレモロ ●カラー:スノー・ホワイト(写真)、サテン・ブラック

■JS SERIES Warrior JS32が通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105934.html

——続いては、ウォーリアーです。
Rie:ちゃんと弾くのは初めてですね。ディンキーやキングVと比べて、少しだけ重い気がする。で、これはピックアップがゼブラ・カラーというのがいいです。ネックを握った感じやボディ・バランスはディンキーと変わらないですね。変形ギターだけどバランスはいいし、ハイ・ポジションも弾きやすいですよ。
——音のほうはどうですか?
Rie:クリーンはディンキーと比べると太さを感じます。キングVとも違って、少しハイがある感じもします。でも、歪ませた時のジャキジャキした感じは、JS32やキングVに近いのかな。そこまで歪みの粒が粗いという感じはしないですけど、クリーンと同じくちょっとだけハイが強めという印象もあります。でも、クリーンも歪みもバランスは悪くないです。

 

ザグリが深く、大胆なアーミングが行なえるのも魅力だ


ジャクソン JS SERIES Kelly JS32T
¥60,000+税

■JS SERIES Warrior JS32Tが通販で購入可能■
○御茶の水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00025-00105935.html

〈仕様〉 ●ボディポプラ ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:アマランス、24フレット ●ピックアップ:ジャクソン・ハイ-アウトプット・ハムバッキング×2 ●コントロール:ヴォリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:ジャクソンTOMスタイル・アジャスタブル(裏通し) ●カラー:ヴィオラ・バースト(写真)、サテン・ブラック

——そして最後に弾いてもらったのが、ケリーです。
Rie:父親が持っていたギターの中にケリーもあったので、弾いたことはあるんですよ。ロゴがグローバー・ジャクソン時代のケリーですね。
——変形シェイプですが、手にした印象は?
Rie:私が変形ギターに慣れているというのもあるんですけど、今回弾いた中では、いちばん弾きやすいですね。
——え、ディンキーよりも?
Rie:そうなんですよ。立っても座っても弾きやすい。昔、エクスプローラーに憧れていたこともあったんですけど、エクスプローラーはボディが私には大きすぎて似合わないのであきらめたんです。でも、ケリーは少し小さいので好きです。24フレットまで左手が入りやすいので、ハイ・ポジションも弾きやすいし、変形ギターだけど、バランスも含めてふつうのギターっぽい弾きやすさがありますね。音もクリーンの感じが、今回、弾いてみた中では個人的にいちばん好みかもしれない。他と比べて、そんなに大きく違うわけではないんですけど、いちばん全体的にきれいに響いている感がありますね。キラっとした感じがもっとも出ているし、かと言ってローが出ていないわけでもなくて。アンプを歪ませて、ギターのヴォリュームを絞った時のクリーンもきれいです。ディンキーやウォーリアーとかもきれいに出るんですけど、このケリーはもっとも自分好みのクリーンが出せますね。で、ギターのヴォリュームを上げると、しっかり邪悪な音になります。歪みは、ディンキーのノン・トレモロと近い感じというか粒が少し細かい感じがします。ハイがキラキラしすぎている感じもローが出すぎてコモった感じでもなく、バランスがいいです。
——6本を弾き終えての感想をお願いします。
Rie:私自身、何本かジャクソンを弾いてきましたけど、上位モデルと比べても価格ほどの差は感じないというか、安いけどちゃんとしているなあと。お買い得だと思いますよ。ジャクソンが好きという人だけでなく、バランスがいい、ちゃんとしたギターが欲しいけど、いきなり高いモデルはちょっと手が出しづらいなあという人にも、このJSシリーズはオススメだと思います。ヴァリエーションが豊富なのもいいですね。

今回試奏した6本ともネック・シェイプは同じ。
適度な太さと厚みで弾きやすい。指板はもちろんコンパウンド・ラジウスだ

問:株式会社神田商会
http://www.jacksonguitars.jp/

リエ・エーケーエー・スザク:ソロとして約10年、活躍してきたギタリスト。メタルからフュージョンまで多彩なジャンルを昇華したインストゥルメンタル・ミュージックだけでなく、ヴォーカリストを迎えたバンド・スタイルでも活動を展開。最新作でも、フュージョンを軸にロック/メタルなサウンドを聴かせてくれる。次回ライヴは、10月24日=吉祥寺シルバーエレファント。

最新アルバム:『Top Runner』
キングレコード
KICJ-825

Rie a.k.a. Suzaku 公式サイト
https://www.poppin.jp/rie_web/