【楽器企画】平成 発明王〜エフェクター編

あと数ヵ月で“平成”という時代が幕を閉じるが、この30年間、それまでの常識を打ち破るアイディアや最新の技術が党中された楽器が多く発表されてきた。
そこで今回は“平成 発明王”と題して、そうした革命的な楽器の中から、とくに近年発表されたアイテムに注目し、編集部の独断による“いかに革命的か”という“エジソン度”も付けてレポートしていきたい。
ちなみに紹介している楽器は、今後発売のものも含めて、入手できるものばかりだ。
まずは、エフェクター部門からスタート!
各モデルの通販購入サイトも掲載しているので、年末年始の楽器購入の参考にしてほしい!!
※WeROCK 068の掲載記事より。

 

■エフェクター部門■

ワーミー・サウンドを
コンパクト・エフェクター・サイズに凝縮!

デジテック Whammy Ricochet

YouTubeのWeROCK公式チャンネルで見せてくれた、TSPのShuが披露したリコシェ・プレイ。これにより、なぜかプロ・ギタリストの間でも話題となったのが、ワーミー・リコシェだ。そもそもワーミー・ペダル自体、エフェクターのなかでもトップの発明品といえるわけだが(じつは初代ワーミーは平成元年に登場してる)、そのワーミーをシンプルにしたのがこちら。
具体的には、ワーミー・ペダルはペダルによりピッチの可変を行なっていたが、リコシェはペダルを排除し、フットスイッチひとつでワーミー・ペダルの効果を実現できるモデルだ。それぞれメリットとデメリットがあるわけで、たとえばワーミー・ペダルは、ペダルを途中で止めることで微妙な音程を作り出すことも可能。ただ、ペダルの操作自体はアナログになるので、その速度やピッチの安定感は不安定になってしまう。いっぽうリコシェは、フットスイッチひとつで任意の音程に確実に上がる(or 下がる)ので、間違いのない操作ができるのだ。まだまだ、可能性を秘めたエフェクターでもある点にも注目!

■試奏動画■
Shu(TSP)によるWhammy Ricochetの試奏動画をYouTubeのWeROCK TVで公開中!!

エジソン度 ★★☆☆☆
これは、おもしろい! Shuさんの映像を観たら、さらに驚かされた。もともとワーミー・ペダルというものがあったのじゃから、発明という意味でのエジソン度は低めじゃが、おもしろ度という項目があったら間違いなく満点じゃな。使い方しだいでは、もっともっと、いろんな可能性があると思うし、このリコシェを使って、みんなは曲だったりフレーズだったりの発明王になってほしいな。

 


上げ下げする音程を決定するコントローラー。合計7種類の設定が行なえる


レンジ・スイッチは、右のピッチ・コントロールで決めた音程に、上げるか下げるかを決めるもの。
上側にすればスイッチを踏んだ時に音程がアップ、下側にすれば音程がダウンする

■通販で購入可能■
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/161999/list.html

 

問:株式会社神田商会
https://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/whammy/ricochet.html

 

ワーミーにさらに機能を追加したDT、
そのDTのドロップ機能に特化したDROP

デジテック Whammy DT


デジテック DROP

上で紹介しているリコシェがワーミーの進化型ならば、ワーミーDTはワーミー+αといえるモデルだ。ワーミーDTは、左に通常のワーミー・ペダル、右には音程を半音階ずつ変化させられるドロップ・チューニング・エフェクトが組み込まれている。これは、たとえばレギュラー・チューニングのギターを瞬時に半下げや1音下げチューニングに変えられるので、ライヴなどでチューニングを大幅に変更したり、ギターを持ち変える必要がなくなるのだ。
ライヴ以外でも、たとえば、レギュラー・チューニングのギターで半音下げの曲をコピーする際などにも重宝する。生音とアンプから出てくる音程が違うので、気持ち悪かったりするが(笑)、フローティングしているトレモロ・ユニットを使用しているギタリストには、かなりうれしい機能だろう。
そして、ドロップはワーミーDTの右側だけの機能から、さらにダウンのみを抜き出してしまったというエフェクターだ。

エジソン度 ★★☆☆☆
こちらもワーミー・ペダルの進化形エフェクターじゃな。なので、発明度という意味では星が少ないが、じつはトゥルー・(ハードウェア)バイパスが採用されていたり、細かい進化もしとるんじゃよ。ドロップ・チューニング機能は、チューニングがいろいろある現代の音楽スタイルにはホントに便利で、ワシも気に入っておるぞ。曲間で使うなんてことをするのもおもしろいのだがな。

 


ピッチを決めるのは、このコントローラーのみ。
カポタスト的な使い方ができるので、ライヴ中にギターを持ち替えなくてもOKという便利さだ

■通販で購入可能■
Whammy DT、DROP
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/161999/list.html

 

問:株式会社神田商会
Whammy DT
https://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/guitar_products/whammy_dt.html
DROP
https://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/guitar_products/drop.html

 

 

ペダルを使って、歪みの量を
リアル・タイムでコントロール

アーニーボール EXPRESSION OVERDRIVE

アーニーボールのエクスプレッション・ペダルといえば、ヴォリューム・ペダルをはじめ、その使い心地が多くのプロに気に入られてるモデルだ。
今回紹介するのは、オーバードライブでありながら、ゲインの量をエクスプレッション・ペダルで調整できてしまうモデル。これを駆使すれば、クランチ→バッキング→ソロのゲインを足元で調整可能になるわけだ。

エジソン度 ★★★☆☆
いろいろ考えるな、と思わせてくれるエフェクターじゃな。じつは、このオーバードライブ、ペダルでゲインが調整できることに目が行きがちじゃが、その音もすごく優秀なのだよ。ふつうにオーバードライブとしての使用もオススメできるぞ。この他、トレモロやディレイなど、ペダルで調整できるシリーズが出てるので、いろいろとチェックしてほしいと思うぞ。

 

▲ドライヴとトーンで歪みを作り、好みで最大5dBのブーストを加えられる

ペダルを踏んだり戻したりすることで、あらかじめ設定していた範囲内で歪みの量をコントロールできる」

■通販で購入可能■
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/161999/list.html

 

問:株式会社神田商会
https://www.ernieball.jp/guitar-accessories/pedals/expression-overdrive

 

 

スイッチャーにマルチ・エフェクターを
加えた新機軸

ボス MS-3

これまた便利な新発想だ。エフェクト・ループとプログラミングを可能にしたスイッチャーに、なんとディレイ、リバーブ、モジュレーション、ピッチ・エフェクト、オーバードライブ、ディストーションなどなどギター/ベース用のエフェクトを合計112種類搭載したモデル。外部のエフェクトは3系統のみ接続できるが、内蔵エフェクターは6系統同時使用可能で充分すぎるループが組める。
“マルチ・エフェクターがあればコンパクトはいらないんじゃない?”という方もいそうだが、音にこだわるギタリスト/ベーシストなら、歪み系やフェイザーはアナログ・エフェクター、空間系はデジタルでいろんなセッティングにしたいという人も多い。そんなニーズに応えてくれる1台だ。

エジソン度 ★★★★☆

 

 

 

 

■通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/effector05/DS04618928

○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/558812

 

問:ボス株式会社
https://www.boss.info/jp/products/ms-3/

 

 

最新の小型真空管だから、
コンパクト・エフェクターにも積める

アイバニーズ NUTUBE SCREAMER

コルグとノリタケ伊勢電子による新しい真空管、NUTUBE。大幅な省電力化と小型化、そして高品質を実現したものだが、そのNUTUBEを搭載したのが、このNU TUBESCREAMERだ。
名機として名高いチューブスクリーマーに真空管が備わったことで、真空管ならではの自然なコンプレッション感、太くやわらかなオーバードライブ、細かなピッキング・ニュアンスに応えるダイナミック・レンジを獲得しているのだ。また、ミックス・コントロールでクリーン・サウンドとオーバードライブ・サウンドを自由にミックスすることができるのも新しいポイント。
真空管自体はかなり古くから使われてきたアイテムだが、ここに来てまったく新しい真空管が登場したことで、今後、さまざまなアンプやエフェクターにも搭載されていくかもしれない。

エジソン度 ★☆☆☆☆

 

 

 

 

 

■通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/ef-ibanez/DS04629232
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/519506

 

問:星野楽器販売株式会社
https://www.ibanez.com/jp/products/detail/nts_01.html

 

 

コンパクト・サイズのマルチ・エフェクター=
マルチ・ストンプ

ズーム MS-50G

ハイ・クオリティで低価格、そして革新的なマルチ・エフェクターを数多く発表してきたズーム。なかでもユニークなのは、このマルチ・ストンプだろう。
見た目はコンパクト・エフェクターなのだが、中身はマルチ・エフェクター。アンプ・モデルや人気のエフェクターが100種類も搭載されているのだ。さらに、72エフェクトを追加でダウンロードすることもできるというから驚きだ。最大で同時に使用できるエフェクト数は6種類、使い方もシンプルでグラフィカルな表示もわかりやすい。登場から約6年となるが、ロング・セラー・モデルとして広く愛用されているアイテムなのだ。


コンパクト・エフェクター感覚で音作りができる。もちろん、エフェクター自体のクオリティの高さはズームならでは

エジソン度 ★★★☆☆

 

 

 

 

 

■通販で購入可能■
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/248138
○島村楽器
https://store.ishibashi.co.jp/ec/pro/disp/1/80-601405500

問:株式会社ズーム
https://www.zoom.co.jp/ja/products/multistomp/zoom-ms-50g-multistomp-guitar-pedal

 

 

エフェクター・ボードのブームを支える
超小型ペダル達

ENO MUSIC INFERNO

 

DOD Mini Volume

エフェクター・ボード・ブームは一過性のものではなく、すっかり定着した。その人気を支えている理由として、エフェクターの小型化を挙げてもいいだろう。
現在では、さまざまなメーカー/ブランドから、ワウ・ペダルなども含めて多種多様な超小型エフェクターが発表されている。なかでも、先鞭をつけたムーア、ENO MUSIC、ホットトーンなどは幅広く認知されているだろう。プロのエフェクター・ボードにもこうしたミニ・サイズのエフェクターを見かけることが多く、サウンド・クオリティの高さも注目ポイントとなっている。


手のひらの中に収まるサイズだから、エフェクター・ボードも小さくできる。そして安価なモデルが多いのもうれしいところ

エジソン度 ★★★☆☆

 

 

 

 

 

■通販で購入可能■
ENO MUSIC INFERNO
○amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B012V05Q6O/
DOD Mini Volume
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/161999/list.html

 

ENO MUSIC
問:日本エレクトロ・ハーモニックス株式会社
http://www.electroharmonix.co.jp/eno/inferno.html

DROP
問:株式会社神田商会
https://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/dod/mini_volume.html