LOUD PARK 16（10月8日）をレポート

10月8日、9日にさいたまスーパーアリーナで“LOUD PARK 16”が行なわれた。

すでに多くのSNSなどでフェスの模様が伝えられているが、オープニング・アクトの4バンドを含め、国内外から39バンドが出演し、熱く重く激しいステージを見せてくれた2日間。このブログでは、印象に残ったいくつかのライヴを簡単に振り返ってみたい。

【アルディアス】

8日の出演陣の中で、まずWeROCK的に注目したのはアルディアス。

攻めのセット・リストで、ラウド・パークの初舞台に挑んだ。

いつものようにドレッシーな衣装でメタリックなナンバーを連発する姿は、彼女達を初めて観るファンにも強い印象を残したことだろう。

【ミラス】

ミラスは北アフリカのチュニジアのメタル・バンド。

アラビアンなメロディを盛り込んだサウンド、そして途中にはダンサーもステージに登場。

独自の世界観を築き上げ、多くの観客から喝采を浴びていた。

【アーマード・セイント】

82年の結成以来、今回のラウド・パーク出演が初来日となったアーマード・セイント。

実直なパワー・メタルで80年代には日本でも知られる存在だったが、そのサウンドは健在だった。

ジョン・ブッシュの屈強なヴォーカルや演奏陣のタイトなプレイを通して、“これが俺達のメタルだ”という信念を感じさせるライヴを観せてくれた。

【エクソダス】

まさにスラッシュ・メタルといったサウンドを轟かせたのは、エクソダス。

スラッシュ四天王と肩を並べるほど評価される彼らは、意外なことにラウド・パークには初出演。

強靭かつ疾走感のあるスラッシュ・メタルでフロアを盛り上げ続ける。

その熱気に場内の温度が上昇するのを体感できた。

【クイーンズライク】

プログレッシヴ・メタルの雄、クイーンズライクは12年に加入したトッド・ラ・トゥーレ（vo）への注目が集まったライヴでもあった。

すでに2枚のアルバムをリリースし実力は証明されているようなものだったが、ラウド・パークのステージでその実力が本物であることが証明された。

新体制となってからの曲は全10曲中1曲でその他はジェフ・テイト時代の楽曲を揃えたことが、トッドのすごさを感じさせることとなったのだ。

ただ、なぜかエディ・ジャクソン（b）の姿が最後まで見えず、一説によると裏で誰かがベースを弾いていたらしいが、バンド側からのコメントはないまま。

謎だ……。

【チルドレン・オブ・ボドム】

ラウド・パークの常連とも言えるのが、チルドレン・オブ・ボドム。

一度、出演のキャンセルが発表されるも、昨年に続いての出演となった。

切れ味のあるアレキシ・ライホのリフを軸とした王道のメロディック・デス・メタル・サウンドと、ヤンネ・ウィルマンの日本語でのMCによる和んだ空気感の対比も、“ああ、チルボドのライヴだ”と感じさせる。

レア曲も盛り込んだステージでファンで喜ばせていたのも印象に残った。

【ブラインド・ガーディアン】

ジャーマン・メタルの重鎮、ブラインド・ガーディアンは07年以来、2回目のラウド・パーク。

なんと名盤『イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド』の完全再現を繰り広げ、ファンを驚喜させた。

そのオリジナリティあふれるプログレッシヴ＋パワー・メタル・サウンドは、キングダム・ステージのトリを飾るにふさわしいものだった。

【ドッケン】

ドン・ドッケンとジョージ・リンチ、ジョージ・リンチ、ジェフ・ピルソン、ミック・ブラウンという全盛期のメンバーでの出演となったドッケン。

その期待が大きすぎたためか、結果は残念なことになってしまった。

楽器隊3人のキレはさすがだったが、ドン・ドッケンのヴォーカルが……。

ただ、連発される名曲に大声で応えるファンの愛の深さも知ることができた。

【スコーピオンズ】

そして、ヘッドライナーのスコーピオンズ！

ステージは後方に映し出された映像も相まって楽曲のドラマティックさを強くアピール。

初期代表曲のメドレーや「荒城の月」も盛り込み、また、現ドラマーのミッキー・ディーが在籍していたモーターヘッドのカヴァーなどでも盛り上げ、アンコールの「空を燃やせ」では9日に出演したウリ・ジョン・ロートとの共演も見せてくれた。

ベテランらしい風格と安定したステージング、ハード・ロックならではの熱さを感じさせ、さすがとしか言いようのないライヴだった。

※9日のレポートに続きます。