WeROCK 111 付録CDインタヴュー集〜1st0 編
WeROCK 111の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けしていきます!
まずは、昨年にセカンド・アルバム『2nd Chapter』をリリースしたファーストゼロです。
彼らが掲げる“ドラマティック・ロック”が表現されたメタル・チューン「PLANETARU NEBULA」に込めた思いなどを聞きました。
MV「PLANETARY NEBULA」
ドラマティック・ロックの花が開きました
——まず、セカンド・アルバムの『2nd Chapter』を簡単に振り返ってもらえますか。
LEA:『2nd Chapter』が思ったより反響がある曲が多くて。アルバムは2枚ともサブスクでも聴けるんですが、それでリスナー数を見ると『1st Chapter』と比べて『2nd Chapter』は10倍ぐらいあるんです。リスナー数が増えた理由としては、『2nd Chapter』は、作る前からアルバムの全体像を見据えて、音作りやミックスも考えたんですね。それで、聴きやすい作品になったからだと思っています。
あとは、キラー・チューンが増えたなというところでしょうか。ライヴを重ねても、ヴァリエーションを作れるようになったし、ネットでもいろいろな感想を読んだんですけど、聴く人によってお気に入りの曲がバラバラで。そこは狙っていたところでもあったのでよかったなと思っています。
TAKAAKI:『1st Chapter』よりも、いい意味でポップスにも通じるような聴きやすい楽曲が『2nd Chapter』では増えたのかなと思っています。もちろん自分達の根底にはヘヴィ・メタルがあるんですが、そのうえでポップな楽曲に昇華していく。それが我々が指向している“ドラマティック・ロック”なんですが、この『2nd Chapter』でそのドラマティック・ロックの花が開き始めたなと。リスナーのみなさんの感想をいただいて、そうした手応えを感じています。
——『2nd Chapter』のキーワードとして、キャッチーさやポップさに対して、“ダーク”という言葉があったと思います。かつ、ジャケットもそういうイメージですね。
LEA:リリースした時、その話をしましたね。確かに、ヘヴィ・メタルの中で言えば、ダークではないかもしれないですけど、イチゼロ(1st0)の中でのダークという感じなんです。
TAKAAKI:歌詞の内容も、ストーリーに沿って、アルバム前半ではダークというかネガティヴというか。でも後半に向けてどんどん明るく煌びやかになっていく感じがあります。
——そのセカンド・アルバムから今回のオムニバス参加曲に「PLANETARY NEBULA」を選ばれた理由は?
LEA:それはもう……あれ、誰が決めたんだろう(笑)?
TAKAAKI:なんか自然と決まってました(笑)。
LEA:「PLANETARY NEBULA」は、当初はアルバムに入る予定ではなかったんですよ。収録曲がそろって、ミーティングで曲順やアルバムの全体像を決めた後、“ごめん、アルバムの最後に入れたい曲がある”とねじ込んだ曲なんです。
——では、最後にできた曲なんですか?
LEA:けっこう前からサビのメロディとかAメロ、Bメロとかはできてたんですが、どういう展開にしようか迷っていたんです。だけど、『2nd Chapter』全体の曲のバランスを見ても、「PLANETARY NEBULA」は、今入れるべきだろうとガンバって仕上げました。歌詞は何ヵ所かTAKAAKIにも手伝ってもらいつつ自分が書いておいて言うのもあれですが、かなり曲とマッチしたいいものになっていると思います。ドラマティックに仕上がっているし、MVもこういうものにしたいとイメージが出来上がっていて、その通りになっています。
TAKAAKI:デモがそろってきた後に、“じつはもう1曲”という形だったのですが、聴いた瞬間、“いいじゃないですか! ぜひ入れましょう”という感じでしたね。
——MVも公開されていますが、今は、ショート動画がハヤっていたり、音楽というところではバズるのが目的でサビを15秒程度にしようとかあるじゃないですか。そういう点では「PLANETARY NEBULA」はMV向きではないというか……。
LEA:確かにそうですよね。曲自体も4分だと長い、3分台にしようと言われてますよね。だけど、「PLANETARY NEBULA」は6分半ぐらいあって。
でも、自分達がよしとするものをやらないと意味がないし、楽しくないじゃないですか。ただ、そういう最近のシーンのことも考えて、例えば頭にハイ・トーンのヴォーカルを入れつつ、イントロを聴けば、イチゼロがどんなバンドなのか、だいたいわかってもらえるようにしています。これが、現代のシーンに対する最大限の譲歩です(笑)。
TAKAAKI:譲れるところは譲ろうと(笑)。
LEA:ギター・ソロを外してしまうとかは絶対にしない。そういうメンバーの聴かせどころはアルバム全体に入れていますし、ベース・ソロを入れた曲もありますね。
TAKAAKI:「不夜城Fake Love」と「Night Travel」ですね。ぜひ、アルバムでそれらも聴いていただきたいです。
——「PLANETARY NEBULA」の推しポイントは?
LEA:さっきと同じ答えになるかもしれないですけど、やっぱり歌詞ですね。もちろん演奏についてもたくさん推しどころはあるんですけど、いちばん注目して欲しいのは歌詞なんです。
——その歌詞のテーマとなっていることは何ですか?
LEA:大人になればなるほど、いろんな別れを経験していくと思うんですね。その別れについて歌っています。家族やペット、友人、仲間……今の幸せは永遠に続かない、いつか別れが来る。でも、その別れに対して、前向きな内容を歌っています。自分にとって大切な人や家族などを思い浮かべながら聴いてほしいです。
TAKAAKI:自分が曲の主人公になって聴いてもらうと、より思い入れが深い曲になると思います。
LEA:演奏面での推しどころは……この曲のMVの中でRyo君の衣装がギター・ソロのところだけ違うんです。でも、誰にも突っ込まれなくてかわいそうだなって(笑)。誰も触れてくれないって言ってたので、突っ込んであげてください。
——そこですか(笑)?
TAKAAKI:彼が満を持して持ってきた衣装なんです。オムニバスCDを聴いてもらって、YouTubeでMVを観てもらってチェックしてほしいです。
LEA:マジメな話をすると、この曲に限らないですが、Ryo君の精密なプレイは聴きどころですし、よくあれだけ指が動くなと思います。「PLANETARY NEBULA」のギター・ソロは、Ryo君にやりたいことを詰めてくれ、“これが俺の名刺代わりだ!”というソロを弾いてくれとお願いして作ってもらったものなので、ぜひ注目してほしいです。そして、YUHYAさんの突き抜けるハイ・トーンですね。しかも、爽やかな感じで歌っている。メタル・ヴォーカルはどうしてもガナっていたりとか平面的というか張りついたイメージもあると思うんですけど、YUHYAさんの声は立体感がある。だからこそ歌詞に表情がついているんですよね。ライヴでは、途中のコーラスや最後のシャウトを一緒に歌ってほしいですね。
——普通の人には最後のシャウトは出せないです(笑)。
TAKAAKI:1オクターヴ下でいいんで(笑)、一緒に歌ってほしいです。
——曲全体としては、ギター・ソロからの大サビへの展開もゾクゾクします。
TAKAAKI:ありがとうございます。アルバムとしてはこの曲の後にもう1曲入っていますけど、イメージとしては大団円を迎えるという楽曲ですし、そこも表現できたと思います。
LEA:「PLANETARY NEBULA」の仮タイトルは“優勝”だったんです。もうこの曲で優勝は決まりでしょうと。
——作曲はLEAさんですよね。
LEA:そうですね。作曲のことでもう1つ加えるなら、ギター・ソロのところは、ベースも抜いてスネアを4分で打っているだけなんですね。それは、Ryo君の粒がそろったきれいな速弾きを聴いてほしい、バックが薄くでもゴマカシなしで聴かせられるよという狙いがあったんです。他の曲でも、ギター以外のパートを薄くしているのがいくつかあって、その展開が好きなんです。Ryo君は緊張するからいやって言っているんですけど(笑)。
——アルバム全体としてかなり濃厚ですけど、レコーディングはスムーズだったんですよね?
LEA:そうですね。しっかり内容を決めてからレコーディングに入ったので、ドラム録りも2日間ぐらいでしたっけ?
TAKAAKI:とにかく早かった(笑)。
LEA:根性で録りました(笑)。Ryo君も着手したら早いですが、取り掛かるまで時間がかかる(笑)。
——レコーディング当時、Ryoさんはもう1つやっているシヴァー・オブ・フロンティアのレコーディングも重なっていたんですよね。
LEA:苦しかったらしいですよ。シヴァフロのアルバムもなかなかのヴォリュームだったし、イチゼロのアルバムと並行してレコーディングするのはなかなか大変だったみたいです(笑)。あと、『2nd Chapter』にはRyo君が作った曲が3曲入っているんですね。その中の「Acceleration」という速い曲が人気で、これからのライヴの定番曲になりそうだし、まさにイチゼロらしいドラマティックなロックなのでその曲にも注目してほしいです。
——ベースのレコーディングはどうだったんですか?
TAKAAKI:自宅で録ったんですけど、“ここはもっとこうしたい”“もっとこうできる”とかやっていると夜が明けていると(笑)。
LEA:沼ですよね。
TAKAAKI:で、録ったデータをLEA君に聴いてもらって、変えるところは変えて。だいたい、データが3往復ぐらいしてましたね。
LEA:『1st Chapter』でミックスも自分達でやったんですね。その時にミックスしてみたら“もう少し違う音作りのほうがよかったかな”というところも、じつはあったんです。そういう経験も今回は生きていますね。ミックス後にはこうなるでしょうという予想が立てられたのでベストなテイクを選ぶことができました。
——そして、ファーストゼロの今後ですが、『2nd Chapter』に続くサード・アルバムの制作にも着手しているとか。
LEA:そうですね。5月10日の吉祥寺クレッシェンドでワンマンがあるのですが、それまで少し時間があるので制作期間に充ててます。アルバムの内容も完全に決まっていて、まず1枚目、2枚目と続けてきた「Tragedy」シリーズ三部作の最終作を収録します。「Tragedy」シリーズは、1枚目の「〜終焉〜」でまず世界が壊れてしまい、2枚目の「〜輪廻〜」でその後の世界を表現したんですね。サード・アルバムで完結します。あとは、イチゼロとして初の試みもあります。
——それはどういったことですか?
LEA:今まではまず曲を完成させて、それらの曲を並べてみて、足りない部分を補うところを入れるというふうに進めていたんです。だけど、サード・アルバムでは曲の内容と順番、作曲者を先に決めたところもあって。
TAKAAKI:あとは、自分が初めて作曲もしています。自分が作った曲をスタートにして、他のメンバーがテーマに沿って作曲していっています。ここがもっとも大きな初の試みですね。
LEA:今まで作曲は僕とRyo君だったんですが、“いい案がある”とTAKAAKIさんが言って。僕は、それまでTAKAAKIさんが作った曲を聴いたことがなかったので、そのデモを聴くまではアルバムの構成は決められないなと思っていたんです。で、届いたデモがすごいよかった。
TAKAAKI:ありがとうございます。
LEA:TAKAAKIさんの新曲、期待してもらいたいです。
TAKAAKI:また、そういうプレッシャーを(笑)。でも、いい曲を作らなきゃというプレッシャーの中、DAWソフトでまとめていったんですけど、ソフトに関してはまだ素人なんです。だから、LEA君にデータを送って、いろんなところを肉付けしてもらったり、編曲もしてもらって形になりました。
LEA:サード・アルバムでも重要な位置付けとなる曲になりますね。その曲を中心に、僕とRyo君が絶賛曲作り中です。最近、ガルネリウスのドラム録りを終えたので、これからイチゼロの曲作りに入ります。すでに3曲はできているんですが、かなりいい感じなので、期待してもらっていいと思います。
TAKAAKI:ガルネリウスのドラム録りも早かったそうですね。
LEA:いやあ(笑)、もう踏みまくりでした。ガルネリウスの中国ツアーの後、すぐにドラム録りだったので曲を覚えるのが大変だったんですけど。
TAKAAKI:レコーディングはこれからですけど、『2nd Chapter』のクオリティの高さに自負があるので、あのアルバムを超えるには……という心地いいプレッシャーを感じています。
——そして、5月10日には3回目のワンマンが決まっていますね。
LEA:2025年も同じ5月10日、初めてのワンマンをやったんですが、次のワンマンもやっぱりその日じゃないとできない特別感を出したいですね。それで、今考えていることがいくつかあって、その1つに、ふだんの対バン・ライヴでやるにはドラマティックすぎていつもはやらない曲があるんですが、そういう曲をやってみようかなと思っています。あとは、サード・アルバムを作っている最中なので、新曲も1曲は披露したいし、カヴァー曲をやってもおもしろいかもしれないかなと。
TAKAAKI:少し前に、我々の活動3周年を記念してXの「Blue Blood」のカヴァー動画を公開したんですね。かなりいい反応なので、ワンマンでやってみるのもいいかもしれないですね。
LEA:カヴァーで言うと、2025年10月26日に着席でのワンマン・ライヴをやったんですが、その時はXの「Endless Rain」をカヴァーしたんです。
TAKAAKI:LEAさんが途中からドラムを離れてピアノを弾いてね。
——なぜ、着席だったんですか?
LEA:会場が、座って観てもらったほうがいい作りだったんです。
TAKAAKI:で、演奏中に立ったお客さんには退場してもらうという決まりがあった(笑)。
LEA:もちろん、冗談でしたけどね。で、着席ならではのセット・リストを組んで、その中で「Endless Rain」のカヴァーもやったんですがそれがおもしろかったので。また、次のワンマンでカヴァーをやるかもしれないなと。
TAKAAKI:その日(5月10日)はハロウィンの来日公演もあるんですね。
LEA:そうなんです。だから、クレッシェンドに無理を言って、イチゼロのライヴは15時終演にしてもらって、我々のライヴが終わってからハロウィンに行けるようになってます(笑)。
TAKAAKI:イチゼロの公式Xで吉祥寺から東京ガーデンシアターまでの乗換案内をお知らせしました(笑)。で、5月10日の聖飢魔Ⅱの横浜での大黒ミサも発表されて(笑)。
LEA:そちらもイチゼロのライヴが終わってからも間に合います(笑)。あと、今後のライヴとしては、メンバー誰かの生誕祭をやりたいですね。
TAKAAKI:私とYUHYAの誕生日が同じ11月14日なんですね。まとめて生誕祭ができる(笑)。
LEA:今年は11月14日が土曜日ですしね。今から計画を練りましょうか(笑)。
▲左より、TAKAAKI(b)、YUHYA(vo)、LEA(ds)、Ryo(g)
アルバム『2nd Chapter』
¥3,300(税込) 2025年3月26日
①Live out MY life
②不夜城Fake Love
③The Abyss is Calling
④Dreamer’s Syndrome
⑤Tragedy〜輪廻〜
⑥Fight with the Madness
⑦童心の風景
⑧Night Travel
⑨Acceleration
⑩Daily Light
⑪PLANETARY NEBULA
⑫Everlasting Shine
◎“ドラマティック・ロック”を掲げるファーストゼロのセカンド・アルバム。その言葉どおり、疾走感もメロディアスなところも振り切った劇的で緻密なメタルが凝縮されている。楽器隊の高い演奏力とYUHYAのクリアなハイ・トーン・ヴォーカルが融合したサウンドは、現代のメロディック・スピード・メタルの理想型のひとつと言えるだろう。
■ライヴ予定■
4月26日(日)=新宿ワイルドサイド・トウキョウ
5月10日(日)=吉祥寺クレッシェンド(ワンマン)
7月12日(日)=上野・音横丁
■ファーストゼロ 公式サイト■
https://1st0.jimdofree.com/
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