エンプレス、最新EP『BERSERK』を語る!
2024年にファースト・アルバム、昨年7月にはミニ・アルバムをリリースしてきたエンプレスが、5曲入りEPを完成させた。
これまでも垣間見られてきた80年代のハード・ロック・テイストを、今回はさらに押し進めて自分達ならではのスタイルに昇華!
その今作について、メンバー4人が語ってくれた!!
MV「BERSERK」
自分達の音を生で伝えるからこその圧がある
▲LeA(vocal)
——このメンバーがそろってから2年半ぐらいとのことですが、音楽性的に新しいスタイルのロックではないじゃないですか。もともと、こういう方向性でやろうとしていたんですか?
みつき:目標としては80年代を目指してます。
——メンバーの世代としては、80年代育ちではないですよね!?
みつき:ぜんぜん違いますね。私の場合は、親からの影響で60年代からの音楽を聴いていたんですけど、その中でいちばん刺さったのが80年代のロックだったんです。それはギターを始める前から聴いていて、60年代だったらビートルズから始まり、エリック・クラプトン、イーグルスを親の影響で聴いてました。日本のものでも、昔から歌謡曲とかばかり聴いていましたね。私、ギターを始めたのがエンプレスを結成してからなんですよ。そこから、ハード・ロックをちゃんと聴き始めて。
——え!? そうなんですか!
みつき:ピアノはやっていたんですが、ギターはエンプレスからですね。結成当初は、ハード・ロックをやろうと思っても、みんな初心者だったから何がなんだかわからなくて、とりあえず作った曲をやっていくという感じでした。
——この世代で珍しくないですか?
みつき:深く考えてはいなかったですね。たまに80年代が好きみたいなのをSNSで見たりはするぐらいで、そんな珍しいものなのかなって(笑)。逆にいないから、そこを狙ってるところもありますし。ギター単体で80年代を出す人はいても、バンドとしてそういう方向性でやってるのはいないじゃないですか。だから、あえて豹柄を着たりしてますね。
——あとから加入したメンバーは、エンプレスの音楽性を知っていて入ったんですか?
いおり:私は、もともと高校の時からドラムをやっていて、バンドをやりたいと思っていて探していた時に奇跡的にエンプレスに巡り合ったんです。だから、最初は、どんな音楽性のバンドかも知らなかったし、“メロディもいいし激しさもあるし、すごく聴きやすい音楽性だな”と思って、そこが私にマッチしたんです。
マリー:私も、もともとはエンプレスを知らなくて、入った時は今よりももっとポップな要素のある曲が多かったんです。そこから、このメンバーになって今の形になっていったんですね。もともと古いロックが好きだったので、この方向性も賛同できました。
LeA:私も加入する時は、エンプレスの音楽性を把握してなかったんです。歌が歌えればジャンルは問わなかったんです。だから入ってみて、こんなに激しい曲が自分に歌えるのか不安な部分もあったんですが、歌わせてくれるならチャレンジしてみようって思いました。
——メンバーを探している時、重視していたことはあったんですか?
みつき:とにかく音楽を楽しんで一緒にやってくれる人ですかね。音楽を楽しんでくれそうとか熱くやってくれそうっていうのを見てました。
いおり:加入する時に、活動の状況とかいろいろ聞いて“私でいいのかな?”って悩んだところもあったんです。そんな時に、みつきが“一緒にやろうよ”って背中を押してくれて入る決断をして。
みつき:ありがとう。
——このメンバーがそろって、それぞれのメンバーのことを考えて曲を作るようになった?
みつき:それは考えてますね。LeAの声をイメージして作ったりしますし“こういうふうに歌ってくれるんじゃないかな”という勝手な期待もあって(笑)。あとは、みんながステージで演奏してるのを想像しながら作ったりしてます。
ファースト・アルバム『Departure』(2024年11月)は、過去の曲を全部リレコーディングした作品だったんですね。それに比べると、今回は、「Days」と「Restart」以外はこのメンバーがプレイする前提で作った曲なんです。「Days」と「Restart」は、もう入手できない過去の作品の曲なんですけど、ライヴでやっていてLeAが歌っているヴァージョンも欲しいという声に応えてリレコーディングしました。
——歌でいうと、いくらチャレンジ精神があっても、自分の歌えるものと違う可能性もあるじゃないですか。
LeA:ありましたね。どうしても引っかかってしまう曲が数曲あって、“歌えない!”ってみんなに相談して……。どうしても自分で同調できない曲もありましたね。そのたびにメンバーに相談してアレンジしてもらったり協力をへて歌えるようになった曲もあるんですね。だからこそ、このメンバーだからこそ歌えるようにガンバろうって思えた気持ちがすごく強いです。
みつき:この4人で音楽をやるというのを第1に考えていたので、方向性はそこからみんなでガンバっていけばいいかなとしか考えてなかったんです。そこから自分達らしくなっていけばいいかなって思いました。
▲みつき(guitar)
——今回の作品までは80年代っぽいハード・ロックではなかったんですよね? どういうキッカケで方向転換しようと。
みつき:とにかく、もう時代の逆行を狙おうって。時代に逆らおうってね。
LeA:“スタイリッシュ・ハード・ロック”というのを謳い文句にしてるんですけど、やっとその方向が定まったかなって。
「Giving」をライヴでやった時に、お客さんの反応がすごくよかったんです。みんなシンガロングしてくれて、すごく一体感があって。“これ、いいな”って心に刺さって、じゃあ、これをみんなでブラッシュ・アップしていくんだったら、もっとカッコよく歌えるようになりたいとか前向きな気持ちが増えてきて。さらに「Howling」がきたら、もう“ああしよう、こうしよう”という意見が止まらなくなったよね。
——新曲の中では「Giving」が最初に出来た曲なんですか?
みつき:いや、「Howling」が最初に出来て、その後に「Giving」「BERSERK」って出来たんですけど、「Howling」に関しては私達でも初めての試みの楽曲だったんです。最初、ノリをつかむのに苦労して、今、やっと築き上げられたかなって。そんな中で「Giving」という、みんなで歌えるようなハード・ロックを作ったんですけど、お客さんの反応を見てると、みんな意外とこういう曲を求めてるかもしれないと気づいたんです。お客さんがライヴに来てくれて拳を振り上げてくれるのはうれしいけど、もっと一緒に参加して一体感を生んでいきたいなって思ったんです。みんなが一緒に参加できる一体感のあるライヴを目指しています。
——今回の作品がシンプルでわかりやすい曲が多いのは、そういう理由もあるんですね。メンバー的に、プレイ的にも難しくなりすぎないようにと考えたりしてますか?
マリー:でも、「Howling」はみんなで歌う系の曲じゃないし、1曲を通してずっとスラップで弾いてるので難しくないわけじゃないですね(笑)。「Giving」や「BERSERK」に関しては、みんなが歌いやすいフレーズと考えてます。
——曲がシンプルなぶん、かなりベースが目立つミックスになってますよね? これだけベースも聴こえてくるとプレッシャーもあるのでは?
マリー:これまでは毎日のようにプレッシャーはありましたけど(笑)、乗り越えたと思います。もともとエンプレスの曲ってベースが動く曲が多くて、フレーズが難しいんですよ。さらに、自分がメロディを支えるという気持ち、ノリも音符も支えるんだという気持ちがあって、プレッシャーに負けそうになったこともありました。でも、今となってはガンガン聴かせたいという気持ちのほうが強くなったし、聴こえないベースは意味がないなって。
——ヴォーカル的には、どうだったんですか? シンプルな楽曲でも、いろいろな歌い方が必要じゃないですか。
LeA:もともと私は音楽の幅が広いタイプなんですね。これまで聴いてきて勉強させてもらって、その中から曲に合いそうな自分の歌声とか、ライヴをやりながら見つけた自分の強みみたいなのを集約させた感じですね。「Days」と「Restart」に関しては、2年半、歌ってきて、つねに更新してきましたし、“LeAの歌う「Days」が好き”と言ってくれたり、初めて観てくれたお客さんでも“「Days」が入ってるCDはどれですか?”と言ってくれることが多かったので、今回、やっとリレコーディングできて、めっちゃ気持ちが入りました。
いおり:「Days」はリレコーディングするとなって、自分的にはもっとヴォーカルに寄り添うドラムにしたいなと思ったんです。自分だったら“ここはスネアじゃなくて、こういうフレーズにする”とかいろいろ考えながら地味な変化ではあるけど、こだわって変えてる部分があります。それに対して「Howling」は、デモのタイトルが“テクニカル・ハード”だったんですよ(笑)。各メンバーの技術を詰め込んでいこうという曲だったんです。ドラムって、よくあるリズム・パターンの組み合わせなことが多いじゃないですか。でも、この曲は、この曲にしか出てこないようなフィルだったりリズム・パターンが詰まってるんです。
——曲は、どのていど完成したものを送るんですか?
みつき:その曲によりますね。「Howling」は、ベースを入れてなくて“ここはスラップとか好きなことやって”って(笑)。
LeA:スラップのカッコいいのやってって言ってた(笑)。
みつき:というようなぼんやりとしたイメージを伝えて送ってます。目指すは、“同期がない4人の音だけ”というのが最終目標なんですね。だから、新曲3曲に関してはその願いが叶いましたね。
——最近は、とくに女子のバンドは作家の曲、いわゆる外注曲をプレイすることも多いじゃないですか。デモに入ってるギター・ソロも忠実にプレイするバンドもあるし、いい悪いではなくそういう時代なのかなとも思うんですね。
みつき:“それは自分達の味なのかな?”って物申したい気持ちがあるんです。バンドって、ドラムはドラム、ベースはベース、歌には歌のプロがいるからこそ、その人達に任せたい気持ちが大切なんじゃないかなって。自分達の引き出し、私だけではないメンバーみんなの引き出しがあってこその1曲だと思っているので、みんなで作り上げていきたいなと思ってるんです。曲作りをみんなでするというのも、そういう部分があるし、私が持ってない引き出しを他のメンバーが持ってるからこそできるのがバンドの曲なんだと思うんです。
今、同期を使って音圧を出すバンドが多いじゃないですか。それで圧倒されるお客さんもいらっしゃると思うんですけど、私達はそうではなく、自分達の音を生で伝えるからこその圧があると思っているんです。それを、私達は時代の逆行とともに、みんなに伝えていきたいんです。
——素晴らしい! でも、なんか、敵を作ってるような発言(笑)。
みつき:エンプレスを結成した時から、対バンはみんな敵なんだよって教わってきたので(笑)。
▲マリー(bass)
——話を戻しますが、ヴォーカルはメロもお任せされることが多い?
LeA:そんなこともないんですけど、最初にもらった音源を聴きながら歌詞を書いていて、勝手に改変しちゃうこともあります。感情が乗っちゃってスタジオで歌ってる時に気づかないこともあって(笑)。でも、そこで、みつきが“メロディが変わってるけど、それを2番にしてもおもしろいんじゃない?”って提案してくれたりするんです。「BERSERK」も「Giving」もそうだったよね。もともとメロディがあったところを叫んじゃったりしてるのもあります。「BERSERK」の2番のBメロなんかそうですね。
みつき:そういうのもぜんぜんOKですよね。それが味なので、“やっちゃってくれ!”って。
LeA:デモをもらった時に、ステージで歌ってるイメージが湧くんですよ。こういう歌い方したら、お客さんはこうやって乗ってくれるだろうとか。そのイメージで歌詞を書いてると、ここはピッチを大切にするより圧を出して歌ったほうが、他の3人も気持ちが前に来るよなとか考えるんです。メンバーの士気が上がったらいいなとも思ってるので、自分に熱がこもる歌い方とメロディを一緒に求めて歌詞を書いていってます。
——わかりやすいリフが多いけど、作曲はリフから作ることが多いんですか?
みつき:最近のハード・ロック曲を作ろうとなってからはリフから考えることが多いですね。リフもメロディも同じことが言えるんですが、カッコいいという印象があっても伝わりにくいものってお客さんに何が残るのかなって思うんです。ライヴ後に、“ドゥドゥドゥっていうリフの曲、なんてタイトルだっけ?”みたいにお客さん同士でも会話してほしいんですよ。やっぱりいいものは耳に残りやすいし、それがいい曲かなって思います。
いおり:今回の作品は、スタイリッシュ・ハード・ロックというテーマがあって、デモを聴いた時にその方向性にすごく一致してるなと思いました。そこからイメージを膨らませながら作れたかなと思います。
マリー:私は、毎回、デモが来た時に“キタキター”って思うんです(笑)。初めて聴く時って新鮮じゃないですか。その印象を大事にしてどういうベースを弾くか考えます。けっこういろいろなパターンのフレーズを考えていって、そこからみんなで合わせた時に他のパートのフレーズを聴きながら削っていくというやり方をしてます。
LeA:私は、けっこう感覚で捉える派なんです。これは何色だったとか、柔らかそうとか風が吹いてるとかみんなでイメージを共有して、自分の頭の中で1曲のワールドを作るんです。そこからイメージする言葉が降ってきて歌詞ができます。そこは技術とか技巧みたいなものはまったくなくて、感性だけで音楽に向き合ってる感じですかね。
みつき:デモの段階で、各パートが好きにプレイできる自由度を残してるんですね。エンプレスは自由なバンドであってほしいので、それぞれのメンバーが自分達のものを詰め込んでほしいんです。
LeA:デモの時にできなかったら自分の好きなように変えていいよというスタンスなんですね。メンバー全員、音楽が好きだし、どうせやるならいいものを作りたいという気持ちがめちゃめちゃ強いので、できないことがあったら次のスタジオまでにできるようにしたりレベルの高いものを持ってきたりするんです。だから、最初のデモよりもステージでやる時はブラッシュ・アップされてるし、この作品にも最先端の楽曲が収録されています。
みつき:間違いないですね。過去の曲もライヴごとに、さらに進化してるみたいな。
LeA:同期を使わないことで、それぞれのメンバーのよさが全面に出せるので、メンバーの見せどころがつねにある曲になってるんです。私達にしかできない音楽で、同期とかを使わずにメンバーの実力で勝負していく。そうでありたいなって思ってます。
みつき:今回の新曲3曲に関しては、ホントにこの4人でやった音だけで仕上げていて、他の音はいっさい入れてないんですね。それも初の試みで、ホントに自分達だけが出す音でパッケージした作品ということがテーマだったんです。メンバー、みんなが主役だと思ってます。
▲いおり(drums)
EP『BERSERK』
ジリオンモードプロダクション
ZMR-041 ¥2,200(税込) 4月29日
①BERSERK
②Howling
③Days
④Giving
⑤Restart
■ライヴ予定■
5月16日(土)=徳島・両国橋西公園ステージ
5月29日(金)=下北沢シャングリラ
5月31日(日)=上野・音横丁
6月3日(水)=吉祥寺クレッシェンド
6月13日(土)=本八幡ルート14
6月18日(木)=新宿アンチノック
7月5日(日)=渋谷ギルティ(ワンマン)
7月24日(金)=渋谷サイクロン
■エンプレス 公式X■
https://x.com/Empress_tw





