WeROCK的試奏会〜レヴの真空管アンプを弾き比べ!

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2014年にカナダで設立されたアンプ/エフェクター・ブランド“レヴ・アンプリフィケーション”。
すべてオリジナル回路で設計から生産まで行ないハイ・クオリティな製品を生み出しているメーカーだ。
そんなレヴから50Wのモデルが登場した。これまでの20W、120Wと弾き比べてみたぞ!


■サイズ感を超えた歪みを実現!
REVV AMPLIFICATION
G20
¥264,000(税込/実勢価格)

■仕様■
●出力
:20W or 4W
●真空管:ECC83(12AX7)×3、6V6×2
●コントロール:〈フロント部〉ゲイン、トレブル、ミドル、ワイド・スイッチ、ベース、20W/4Wスイッチ、ヴォリューム、チャンネル・スイッチ、アグレッション・スイッチ、プリ/ポスト・スイッチ、ストア・スイッチ、レベル、ヴァーチャル・キャビネット・セレクト・スイッチ 〈リア部〉グランド・リフト・スイッチ、インピーダンス・スイッチ(8Ω/4Ω)、インターナル・ロード/スピーカー・スイッチ
●入出力端子:〈フロント部〉インプット、ヘッドフォン・アウト 〈リア部〉パワー・インプット、バランスXLR・アウト(レフト、ライト)、FXループ(センド/リターン)、キャビネット・ライティング、フットスイッチ、MIDIイン、スピーカー・アウト、USB
● 外形寸法:308(幅)×165(奥行き)×168(高さ)mm(突起物含む、ハンドル含まず)
●重量:約4kg

 

■3チャンネル/8モードを搭載!
REVV AMPLIFICATION
Generator G50
¥418,000(税込/実勢価格)

■仕様■
●出力:50W or 10W
●真空管:ECC83(12AX7)× 4、EL34×2
●コントロール:〈フロント部〉チャンネル・セレクト・スイッチ(CH1/Wide、CH2/Drive、CH3/Aggression)、ストア・スイッチ、リバーブ・スイッチ、ゲート・スイッチ、マスター1、マスター2、プレゼンス、デプス、レベル、ヴァーチャル・キャビネット・セレクト・スイッチ、チャンネル1=レベル、チャンネル2=ゲイン、レベル、チャンネル1 & 2共通=トレブル/ミドル/ベース/ブライト・スイッチ、チャンネル3=ゲイン/トレブル/ミドル/ベース/ブライトスイッチ/カット・スイッチ/ファット・スイッチ 〈リア部〉グランド・リフト・スイッチ、リバーブ・レベル、ゲート・スレッシェルド・コントロール、50W/10Wスイッチ、インターナル・ロード/スピーカー・スイッチ
●入出力端子:〈フロント部〉インプット、ヘッドフォン・アウト 〈リア部〉パワー・インプット、バランスXLR・アウト(レフト、ライト)、FXループ(センド/リターン)、キャビネット・ライティング、フットスイッチ、MIDIスルー、MIDIイン、スピーカー・アウト(4Ω×2、8Ω×2、16Ω×1)、USB
● 外形寸法:495(幅)×261(奥行き)×270(高さ)mm(突起物含む、ハンドル含まず)
●重量:約15kg

 

4チャンネルを備えた最上位機種モデル
REVV AMPLIFICATION
Generator 120 MK3
¥704,000(税込/実勢価格)

■仕様■
●出
:120W or 10W
●真空管:ECC83(12AX7)× 5、6L6GC×4
●コントロール:〈フロント部〉チャンネル・セレクト・スイッチ(CH1/Wide、CH2/Drive、CH3/Aggression、CH4/Aggression)、ストア・スイッチ、ブライト・スイッチ(CH1&2)、ブライト・スイッチ(CH3 & 4)、カット・スイッチ、ファット・スイッチ、リバーブ・スイッチ、ゲート・スイッチ、プリ/ポスト・スイッチ、レベル、マスター1、マスター2、プレゼンス、デプス、ヴァーチャル・キャビネット・セレクト・スイッチ、チャンネル1=トレブル/ミドル/ベース/レベル、チャンネル2=ゲイン/トレブル/ミドル/ベース/レベル、チャンネル3=ゲイン/トレブル/ミドル/ベース/レベル、チャンネル4=ゲイン/トレブル/ミドル/ベース/レベル 〈リア部〉グランド・リフト・スイッチ、リバーブ・レベル、ゲート・スレッシェルド・コントロール、120W/10Wスイッチ、インターナル・ロード/スピーカー・スイッチ
●入出力端子
〈フロント部〉インプット、ヘッドフォン・アウト 〈リア部〉パワー・インプット、バランスXLR・アウト(レフト、ライト)、FXループ(センド/リターン)、キャビネット・ライティング、フットスイッチ、MIDIスルー、MIDIイン、スピーカー・アウト(4Ω×2、8Ω×2、16Ω×1)、USB
●外形寸法:680(幅)×255(奥行き)×270(高さ)mm(突起物含む、ハンドル含まず)
●重量:約21kg

 

プリもパワーも真空管という、完全アナログなレヴのモデル(スピーカー・シミュレーター内蔵なのでデジタルも搭載しているが)。いきなり大型モデルにいく前に、まずは20WのG20から弾いてみよう。
音を出してみると、G20の時点で、ものすごく極上の歪みが得られる。真空管ならではの素早いレスポンスとピッキングのタッチに反応してくれて、ピッキングの粗さをごまかすことなくストレートに表現される。ドライヴ・チャンネルのゲイン幅は、ゲイン・コントローラーがゼロの位置でマーシャルでいうとJCM800ぐらいの歪みを持ってる印象だ。ここから、ゲインを上げていくとフルでJCM2000ぐらいに歪んでくれた。それでも、音のツブが潰れることなく、しっかりとコード感を出してくれるのがすごい。
3パターンを選べるアグレッション・スイッチは、押すにごとに歪みの強さを増してくれるが、最強にしても音は飽和しすぎることなく、しっかりとニュアンスも大切にして歪んでくれるのがうれしい。歪みが増すというよりは中低域の押し出し感が強くなる印象を受けた。真空管ならではのコンプレッションがありつつ、これまた真空管ならではの弾いたままダイレクトに音が出てくれるので、デジタルを弾き慣れてる人には荒々しく感じるかもしれない。もし、弾きやすさを求めるなら、ブースター的にオーバードライブをカマすのもいいだろう。

ちなみに、20Wでもかなり大音量!  キャビネットにもよるが、自宅で弾くには大きすぎるかもなのだが、4Wに出力を落とすとかなり小音量になる。うれしいのは、トーンや歪みがそのまま小さくなってくれるのだ。最近のアナログ・アンプには多い機能だが、トーンや歪みのニュアンスが変わってしまうモデルも多い中、そのまま音量が下がる印象だ(もちろん、圧という意味では変わってくるので、歪みの質が変わったと感じるかもしれないが)。
今回のモデルは、全機種で本物のキャビネットを通さずにDTMにも使えるヴァーチャル・キャビネットが搭載されている。これはトゥーノーツのトーピドで、PCに接続して(Generator G50Generator 120MK3は、スマートホンとBluetooth接続も可能)トーピド・リモートを使えば、マイクの選択など、さらに音作りの幅が広がる。これをデジタル・アンプではなく、本物の真空管アンプでやってるのだからアナログ派にはうれしい。
試してみると、キャビネットはシミュレーターなのに、デジタルくささはいっさいないといっても過言ではない。レコーディング・スタジオで、キャビはスタジオで鳴らして弾くのはブースといえばわかりやすいだろうか。ちなみに、シミュレーターのライン出力と同時にキャビネットも鳴らせるのでライヴでも便利。

さて、G20の段階で、かなり満足度が高いまま、G50120と進んでみよう。
もう充分、20Wモデルで満足したので、あとは音量が大きくなるだけかと思いきや……やっぱり大型はいい!
中低域の押し出し感が豊かで、大音量にしても耳に痛くないのだ。G50からブライト、カット、ファット・スイッチを搭載。好みがわかれるところだが、全オフで大満足。G20よりも、さらに音の暖かみが増すので、いちばん歪みの強力なアグレッションのレッド・モードも気持ちいい。50W以上になるとゲートが搭載。これまた、使い勝手のいいゲートで音の切れ方に不自然さがないのだ。

G50で大大満足なので120Wもいらないだろうと、試奏してみると……やっぱりアンプは大型だ! と思わせてくれる。
音量が増すというよりも、音のキャパシティに余裕があるというかドッシリとしているのだ。ここからは4チャンネル仕様。3チャンネルと4チャンネルで歪みの質が変わり、3チャンネルがミッド感があるのに対して、4チャンネルはモダンな方向だ。これ、キャビシミュを通した時に違いは出るのかな?
試してみると、これまた違う! 本物のキャビで鳴らした時の印象の通り、ワット数が大きくなるにつれて中低域のふくよかさが豊かになってくるのだ。本物の真空管ってこうなんだ、やっぱり本物のアンプって最高だなと思わせてくれるモデルだった。

▲プリもパワーも完全に本物真空管アンプなのに、なんとキャビネット・シミュレーターも搭載(写真はG50)

▲G50と120には、ゲートも搭載している。激しく歪ませてもハウリング対策になるぞ(写真はG50)

■REVV AMPLIFICATION G20の詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/g20.html

■REVV AMPLIFICATION Generator G50の詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/generator_g50.html

■REVV AMPLIFICATION Generator 120 MK3の詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/generator_120_mk3.html


■リニューアルされた歪み系ペダルにも注目!!

REVVは、アンプだけでなくペダル・エフェクターもアナログにこだわりクオリティの高いモデルとなっている。ここに紹介しているのは、Generator 120のプリアンプ部を取り出したアニヴァーサリー・モデルだ。
左から、クラシック・ロックのようなクランチからオーバードライブまでをカヴァーできるG2 Anniversary、70年代後期から80年代までのハード・ロックで聴けるオーバードイブから90年代後半のハイ・ゲイン・アンプのような深いディストーションまで得られるG3 Anniversary、モダン・ハイ・ゲイン・チューブ・アンプのような骨太なディストーションが魅力のG4 Anniversary。価格はすべてオープンだ。


■REVV AMPLIFICATION G2 Anniversaryの詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/g2_anniversary.html

■REVV AMPLIFICATION G3Anniversaryの詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/g3_anniversary.html

■REVV AMPLIFICATION G4 Anniversaryの詳細■
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/g4_anniversary.html