WeROCK 099 付録CDインタヴュー集〜THE・ステレオギャング編

WeROCK 099の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けするシリーズ企画。
まずは、2023年8月にアルバム『THE・ステレオギャング』を発表したザ・ステレオギャング
のインタヴューをお送りしよう。

MV「Fire Beam」


自分達世代には馴染みがないぶん逆に新しい

——平均年齢22歳弱で、高知で活動しているバンドなんですね?
Miu
:今も大学生なんですが、その大学のサークルで組んだバンドです。
——オムニバス収録曲を聴くとビックリするぐらい70〜80年のロックですよね? 高知の20歳ぐらいのバンドマンは、みんなこういう方向性のロックが好きなんですか!?
Miu
:そういうわけじゃないんですけど(笑)。音楽サークルが3つあって、私達が所属しているところが洋楽だったり古いロックが好きな人達が多いんです。ただ、やはりツアーをやっていると、同世代のバンドでは少ない音楽性ですね(苦笑)。私も高校生までは日本の音楽が好きだったんですが、大学生になってからハード・ロックというか昔のロックにめっちゃ感化されて“今、バンドをやるなら、こういう音楽をやりたい!”ってなったんです。
——みなさん、楽器はいつから始めたんですか?
Miu
:中学1年生の時から、ずっとギター&ヴォーカルです。
Haruki:僕は、小学校ぐらいの時に音楽を聴き始めてから、親の影響でずっと洋楽を聴いていました。それこそディープ・パープルだったりキッスだったりで、楽器自体は小学5年生からやってます。親から習いに行けって言われてドラムを習い始めました。
Taishi:僕は、もともとジャパニーズ・メタルが好きでラウドネスとかアンセムが好きだったんですが、このバンドを組んでから昔のハード・ロックを勉強し始めたんです。ラウドネスやアンセムが好きなのは親の影響で、車でガンガン流れていて小さい頃から聴いていて好きになったんだと思います。ギターを始めたのは高校に入ってからですね。
Toki:自分はハード・ロックに縁がなくて、洋楽自体、そもそもそんなに聴いてこなかったんです。やはり親の影響で日本のロックとか弾き語りを聴いてきていて、バンドに誘ってもらった時にこういう音楽があることを知って、今は大好きになってます。ベース自体は、中学3年ぐらいから弾き始めました。
Miu:私とHarukiが中高の軽音部で同じバンドをやっていて、大学のサークルに入った時にTaishiとTokiを見つけてTHE・ステレオギャングを組みました。
——Taishi君は、それこそ高崎(晃)さんや清水(昭男)さんが好きでギターを弾いてたわけでしょ? ステレオギャングにスッと入っていけたんですか?
Taishi
:やはり最初は馴染みがなかったというか、ちょっと違う方向性のハード・ロックじゃないですか? だから戸惑いはあったんですけど、そこからキッスやモトリー・クルーを勉強していったらそれはそれでカッコいい部分に気づいたんです。
——プロフィールを見ると、影響を受けたバンドがモトリーやヘイルストームとあるでしょ。アルバムを聴かせてもらうと、もっと古い70年代の匂いが多いと感じたんですけど、どうしてこの年齢層で、こういう楽曲が生まれたんですか?
Miu
:ひたすら昔の好きな音楽を聴いてたら、自然と生まれてくる曲がこういうふうになってました(笑)。
Haruki:高校の頃は、ポップスをやっていたんですよね。それが大学に入った頃から、ハード・ロック路線になったんです。もちろん僕は好きなジャンルだったんですけど、“こっちに来たか!?”ってビックリしました。
Miu:私達がホームとしている高知のライヴ・ハウスでBAY5 SQUAREというのがあるんですけど、そこの社長からいろいろと教えてもらって聴くようになったというのはありますね。
——アルバムでは10曲をMiuが作曲していますね。ギターに関しても、決まったものをメンバーに送るんですか?
Taishi
:大まかな部分は決まったものが来ますね。あとは細かい部分だったり、ソロなんかを僕が作るという感じです。
——ソロでは、まったく高崎さんや清水さんっぽさは出てないけど、それはこのバンドに寄せたんですか?
Taishi
:最初の頃は自分が影響を受けてきたスタイルも入れていたんですけど、ちょっと違うなって思って、ペンタトニックの勉強をしたりして古めのハード・ロック寄りのスタイルにしていきました。
——今回のオムニバス収録曲でもわかるけど、アルバムを聴くとハード・ロックというよりも、もっと広い意味でのアメリカン・ロックを感じますよね。そのあたりの幅広さは狙っていた?
Miu
:狙っていたというか、自分が作りたいなと思った曲を作っていったら、こうなったんです(笑)。アルバムでは結成してから今までの曲だけではなく、たとえば「Crazy Candy」なんかはHarukiとやっていた高校生のバンドの時の曲で、それをアレンジしたんです。バンド結成時はスウェーデンのサンダー・マザーのコピーをやったりもしていて、そこからオリジナルを作っていったんですけど、その曲は入ってないです(笑)。
Toki:僕は、初めてハード・ロックをレコーディングしたですね。ハード・ロックのベースは、全部、ダウン・ピッキングで弾かなきゃいけないと思ってるので、そこは筋トレな感じで苦労しましたね。
——別にダウン・ピッキングである必要はないですが(笑)。
Toki
:いや、そこは、ちょっとこだわりたかったんです(笑)。それにシンプルな音楽性なだけに、隙間だったりグルーヴだったりを時間かけて学びました。レコーディング前にプリプロもやっていて、そこで確認しながらやりましたね。
Haruki:高校の時にやっていたのはポップスだったので、グルーヴの出し方とか違ったんです。どうやったらロック・ドラムに聴こえさせるか……それこそ腕の振り方とかいろいろと研究して、そういう部分はたいへんでしたね。
——現代のレコーディング・システムって、エディットしまくり、コピペしまくりが多いじゃないですか? でも、ステレオギャングの音楽性だと、その方法だと逆に難しかったりしないですか?
Haruki
:1曲通してレコーディングしてるので、逆にその方法を知らずに録ってました(笑)。
——とするとギターも、ちゃんとアンプを鳴らしてレコーディングしている?
Taishi
:もちろんです!
——ツイン・ギターの振り分けは、どうしてるんですか?
Miu
:曲を作る時に、だいたい決めてます。私はバッキングだけという感じで、リードというかメインはTaishi君です。
——歌的には、どうでした?
Miu
:歌詞が、ほぼ英詞なんです。かと言って、ぜんぜんネイティヴではないから、音に詞を当てはめるのがすごく難しくて、じっさい文法的に合ってるかもわからないからネイティヴの方に見てもらって調整していくので歌詞がホントに大変でした。
——日本語にしないというこだわりはありますか?
Miu
:好きなバンドが海外のバンドばかりで、みんな英語だし、それがやりたくて歌っているので。逆に日本語をハメるのが難しいかなって。
——歌い方的に、リジー・ヘイル(ヘイルストーム)っぽい部分もありますよね?
Miu
:リジーはホントに大好きで、それとパラモアのヘイリー・ウィリアムスのふたりから影響を受けてるかもしれないです。
——さて、今回のオムニバスCDに、「Hello」を選んだ理由というのは?
Miu
:アルバムの1曲目だし、いちばん自分達らしく、わかりやすくインパクトがある曲なんです。
Haruki:いちばん自分達の音楽性もわかってもらえるよね。
Miu:サビのメロディがキャッチーなので、そこは聴きどころになってます。
Taishi:ギターは、わかりやすいリフでカッコいいと思ってます。あとはサビのバックで流れてるギターのコード感も聴いてほしいですね。
——それこそ、音作りなんかも、メタルをやっていた時とは変えてる?
Taishi
:だいぶ変わりました。歪みも、昔は、もっとドンシャリだったんですけど、ゲインを下げてミドルに寄せたりジャマにならない音作りをしてみました。
Toki:Bメロからサビに向けての流れがわかりやすいので、そこは聴きどころになってると思います。
Haruki:サビに入る時にドラムだけになったり、要所要所でフィルが入ってるので、そういう部分もチェックしてもらいたいですね。
Miu:私達の音楽性って、もちろん昔のみなさんだったら聴き馴染みがあると思うんですが、自分達の世代には聴き馴染みがないぶん逆に新しいって感じてくれると思うんです。そういう意味で、幅広い層に聴いてもらえたらいいなと思ってます。
——シンプルだからこそ、難しい部分がある音楽性ですよね?
Miu
:やりすぎないようにはしてます。足しすぎないというかね。そんなステレオギャングのアルバムを、今回のオムニバスをキッカケに聴いてもらえたらうれしいですね。

▲左より、Toki(b)、Miu(vo&g)、Haruki(ds)、Taishi(g)

アルバム『THE・ステレオギャング
¥2,750(税込) 2023年8月17日
①Hello
②Route36-Remix Version
③Bat nightmare-Remix Version
④Crazy Candy
⑤Now take a chance
⑥We can fly
⑦Call me
⑧TKO
⑨This is My way
⑩GIVE ME OVER!!!
⑪Rock’n’Roll tonight
⑫FireBeam-Remix Version

平均年齢 21.5 歳とは思えない、70年代の懐かしさも感じる楽曲群だ。とはいえ、まったく古臭さを感じないのは、やはりこの年代のメンバーがプレイしているからだろう。ぞんぶんに勢いもあり、末恐ろしいバンドの登場ではないだろうか。

■ライヴ予定■
3月9日(土)、24日(日)=高知ベイ5スクウェア
3月31日(日)=高松ナッシュヴィル
4月20日(土)=渋谷エッグマン
5月4日(土・祝)=高知ベイ5スクウェア
5月10日(金)=渋谷サイクロン
5月11日(土)=西川口ハーツ
5月12日(日)=厚木サンダースネイク
5月18日(土)=堺東ゴイス
5月19日(日)=高松ナッシュヴィル
5月25日(土)=岡山イメージ
5月26日(日)=名古屋ell. size
6月1日(土)=京都モジョ
6月2日(日)=松山サロンキティ
6月7日(金)=広島ケイヴビィ
6月9日(日)=小倉フューズ
6月15日(土)=本八幡ルート14
6月16日(日)=西川口ハーツ
6月29日(土)=高知ベイ5スクウェア

■THE・ステレオギャング 公式サイト■
https://stereo-gang.amebaownd.com/