クロウリー、ミニ・アルバム『悪魔がにくい』を語る!

2020年7月に現体制として初めてのアルバム『Evil Bride』を発表したクロウリー。
80年代のサタニックなイメージと現在のサウンドを融合させたスタイルで新生ぶりを打ち出した彼らがミニ・アルバムをリリースする。そのタイトル曲は、なんと昭和のヒット曲のカヴァー! はたしてその理由は……?
WeROCK 086に掲載したインタヴューのダイジェストをお届けしよう!!
※フル・ヴァージョンは、ぜひ誌面をチェックしてください。

そして、2022年5月にはライヴも決定した!! 詳しくは本記事の最後を!!

ミニ・アルバム『悪魔がにくい』から「悪魔がにくい」

「リスペクトを込めながら
クロウリーの曲として聴けるカヴァーです

——12月22日にミニ・アルバム『悪魔がにくい』を発表しますが、タイトル曲は平田隆夫とセルスターズという昭和のグループのカヴァーや既発曲の日本語詞ヴァージョンが収録された形ですね。なぜ、こういう形の新作を?
HIRO:2020年の7月に前作『EVIL BRIDE』を発表して、リリースに伴う東名阪ツアーもコロナ禍のための2度の延期もあったのですが、2020年の12月に決行することができました。
でもその頃、僕が7年前ぐらいに手術した脊髄狭窄症が再発してしまい歩行困難になるほど悪化して……もともと、ツアー後の展開として、生配信ではなく、3本の異なったセット・リストのライヴを収録をして、それを配信しようと考えていました。しかしながら、病状は悪化するばかりでしたので、そのプランはいったん白紙にしました。そして、僕は通院しつつ、KENT(g)とスタジオに入って、新曲作りを始めたんですね。
最近のパターンとして、新曲作りの工程はドラムは打ち込み音源をベースに行なうので、まあ腰が痛くても作業できますからね(笑)。そして、6月の中旬に手術を受けて、その入院中にYouTubeをいろいろ観ていた時に子供の頃に聴いていた、平田隆夫とセルスターズの「ハチのムサシは死んだのさ」や「悪魔がにくい」の動画にたどり着いたんです。「悪魔がにくい」の歌詞は幼少の頃の僕にとってはインパクトが強く、悪魔という言葉の響きに魅了されたっていう感じで……で、クロウリーでこの曲をカヴァーしたらどうかな? と。あと、退院後にレコーディングしようと思っていた新作のアイディアがまだ散漫だったんです。
——と言うと?
HIRO:『EVIL BRIDE』は現体制で初のフル・アルバム、そしてクロウリー復活後、初めての新曲だけのアルバムというのがあったのですが、その次にくる新作はどうすべきか悩んでいたんです。フル・アルバムぶんくらいの新曲のストックはあったものの、けっきょくのところ、それをレコーディングして新譜としてリリースしてもそれほど話題になるのかどうか? と考えると何だかなあって思えて(笑)。
そうした時に、「悪魔がにくい」のカヴァーを思いついて、この曲は平田隆夫とセルスターズのデビュー曲なのですが、2021年がデビュー50周年なんですよ。それで、年内にこのカヴァーを発表すれば、平田隆夫とセルスターズ、および「悪魔がにくい」50周年への敬意を表することになると。
そうなると、例えば「悪魔がにくい」を10曲入りのアルバムの中の1曲ということにすると、バランス的におかしいし、それならば新作は5曲ぐらいに絞って、かつ、どの曲もシングルになるような曲というミニ・アルバムにしようという発想が浮かんだんです。

——「悪魔がにくい」はMVも作られましたね。
HIRO:そうですね。入院中にこの曲のカヴァーをしようと思い付いた時、アレンジとともにMVの構想も浮かんだんです。昭和から存在するキャバレーで、テスコのギターなどの当時の楽器を使って撮影しようと。ストーリーとしては、平田隆夫とセルスターズがデビューした1971年にクロウリーがタイム・スリップして、当時流行していた曲をカヴァーするというものになっています(笑)。
——カヴァーと言えば、今回、前作のタイトル曲「Evil Bride」を日本語詞にしてセルフ・カヴァーしていますね。
HIRO:今回のミニ・アルバムはどの曲もシングル的な曲にするとなった時、新たに書き下ろした曲の中にそういう曲がなかったんです。
岩井:クロウリーは再結成以来、歌詞については英語にこだわってきたんですが、80年代のクロウリーを知っている方からは“昔の曲を日本語でやってよ”という要望が多いんです。それで、今回のミニ・アルバムは「悪魔がにくい」のカヴァーもあり、全曲日本語詞ということにもこだわるという部分で、「Evil Bride」は80年代の曲ではないんですが、日本語詞でやってみるとおもしろいんじゃないかと。ただ、「Evil Bride」のもとの英語の歌詞を日本語詞にするのは苦労しましたね。
HIRO:それは言っちゃいけない(笑)。いつも岩井が書いている日本語の歌詞を英語にしている俺も苦労するんだから(笑)。
——その他の3曲に関してはどうですか? 全曲、シングル的な曲にしようという狙いがあったとのことですが。
岩井:そうですね。さらにタイトル曲の「悪魔がにくい」を含めて、どの曲の歌詞も“悪魔”がキーワードになっているんです。心の中にいる悪魔だけでなく、「King of the Beasts」のように見るからに恐ろしい悪魔のことを歌ったりもしています。あと、悪魔がテーマになっているというのはジャケットでも表わしています。
HIRO:あ、クランプスね。
岩井:ジャケットには、滑稽にも思える悪魔が描かれていますが、クランプスというオーストリアとかドイツとかで有名なモンスターなんです。悪い子供を諭す(さとす)モンスターなんです。
HIRO:日本でいうと、ナマハゲですね。
岩井:うん、そうだね。そのジャケットの薄気味悪いところも楽しんでほしいです。
HIRO:楽曲でいえば、「Go To ???」というのは、僕が14歳の時、生まれて初めて作った3曲の中の1曲なんです。それで、最近もクロウリーのリハーサルで“こういう曲があってさ”と言いながら、「Go To ???」 をジャムッていたんです。そうしたら、“いいじゃん、ちゃんと形にしようよ”となって、2020年12月に行なった東名阪ツアーでデモ・ヴァージョンをCDにして配布したんです。
今回、歌詞を変更したりアレンジもしたりして収録したのですが、僕にとって思い出深い曲なんですよ。ちなみに5曲を聴かれてみて、どうでしたか?
——第一印象として、ヘヴィな「Immortal」から始まるのが少し意外でした。
HIRO:僕自身はよく“プログレは苦手だ”ということを公言しているのですが、じつはイエスの「ラウンドアバウト」は神がかった名曲だと思うし、すべてのプログレが苦手というわけではないんです(笑)。で、「Immortal」は、初期のキング・クリムゾンやユーライア・ヒープ、ブラック・サバスなどの匂いも出したかった曲なんですよ。
あと、ライヴに関しても、ユーライア・ヒープが「サンライズ」という重いリズムの曲で始めたりしていた時期もあり、そういう始まり方も好きなんです。だから、クロウリーでも、2020年12月の『Evil Bride』のレコ発ツアーもバラードの「FEEL」を1曲目にしたんです。そうした傾向もあって、1曲目は「Immortal」のようなドッシリしたテンポの曲から始まり、そして、次にカヴァー曲の「悪魔がにくい」が来て、3曲目、4曲目とどんどんクロウリー節にエンジンがかかってきてという意図で、曲順を決めたんです。
全体としては、クロウリー史上、もっともユニークなものになったと思います。

■ライヴ決定!■
“CROWLEY LIVE 2022 〜地獄からの生還〜そして未来へ……”
2022年5月1日(日)=名古屋・大須ell. FITS ALL
※チケット発売日などの詳細は、近日中に公式サイトで発表される。

■クロウリー 公式サイト■
https://www.crowley.jp/

■クロウリー 公式ツイッター■
https://twitter.com/CrowleyJapan

■クロウリー 公式フェイスブック■
https://www.facebook.com/HorrorRockShow/

ミニ・アルバム『悪魔がにくい』
DME-024 ¥2,400(税込)
12月22日
①Immortal
②悪魔がにくい
③King of the Beasts
④Go To ???
⑤Evil Bride(Japanese Lyrics Ver.)

 

通販ガイド

■タワーレコード■
https://tower.jp/item/5263985/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%8C%E3%81%AB%E3%81%8F%E3%81%84-%5bCD%EF%BC%8BDVD%5d

■HMV■
https://www.hmv.co.jp/artist_CROWLEY_000000000720810/item_%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%8C%E3%81%AB%E3%81%8F%E3%81%84_12302396

■ディスクユニオン■
https://diskunion.net/portal/ct/detail/HMHR211013-201

■S.A. MUSIC■
https://www.metalpesado.com/mailorder/shop.cgi?order=&class=all&keyword=CROWLEY&FF=0&price_sort=&pic_only=&mode=p_wide&id=68605&superkey=1

■ディスクヘブン■
http://diskheaven.shop-pro.jp/?pid=165420733