驚異のアンプ・モデリング、GUITAR RIG 6 PROが登場!
宅録ギタリストに注目してほしい新製品を紹介したい。
それが、このGUITAR RIGの最新ヴァージョンだ。10月1日に発表されたばかりのこのGUITAR RIG 6 PROの詳細をレポートしよう!
※WeROCK 079の掲載記事より。
SOUND DESIGNERオンラインのチューンゲートでは、SYU(ガルネリウス)によるGUITAR RIG 6 PROのレビュー記事を掲載!
合わせてチェックを!!
https://tunegate.me/P20200923004
ネイティブ・インストゥルメンツ
GUITAR RIG 6 PRO
¥26,800(税込/フル版)
¥13,400(税込/アップデート版)
¥20,100(税込/アップグレード版)
●推奨パソコン環境要件:macOS 10.14 または 10.15(最新アップデート)、Windows 10(64-bit、最新サービスパック)
■最新のモデリング技術による革新的なアンプ・サウンド
2002年に登場以来、定番のアンプ・シム&マルチ・エフェクト・アプリとして多くのギタリストに愛用されてきたネイティブ・インストゥルメンツの『GUITAR RIG』が、新しいアンプ・モデリングの技術をい、さらに音質を向上して『GUITAR RIG 6 PRO』として登場した。
最大の特徴は、革新されたリアルなアンプ・サウンドにある。その心臓部となるのが新たに開発されたインテリジェント・サーキット・モデリング(ICM)で、最先端の機械学習AIが、もととなるアンプの挙動を徹底的に再現することで、聴覚上のシミュレーションだけでなく、トーン・コントロールによる音質の変化からゲインとヴォリュームが組み合った際の音量、歪みの量や質の変化まで、これまでにない高いレベルでアンプを再現することができるようになった。
例えば、歪まないアンプは出力段でアップしてもクリーンさを失わずに音圧感のあるトーンを生み出す。逆に歪みやすいアンプならば、ゲインを調整すると歪み具合も微妙に変わってくる。そんなアンプ本体なら当たり前の変化を忠実に再現してくれる。
なお、収録されているアンプは、従来の16種類(ベース・アンプ1種類を含む)に加えて、3種類のアンプのモデリングが新たに追加されている。そしてこれらのアンプの出音をさらに引き立てるキャビネットは27種類を装備。もちろん、アンプだけでなく歪み系や空間系、フィルター系など定番のストンプ・ボックスを含む54種類のエフェクトも装備されている。
▲心臓部には、インテリジェント・サーキット・モデリングと呼ばれる技術を投入。
かつてない高いレベルでアンプ・サウンドを再現してくれる(写真はイメージ)
■使い勝手が向上し、アンプのセット・アップがさらに簡単に!
GUITAR RIG 6 PROが世界中のギタリストに愛用されている秘密は、リアルなトーンはもとより、その使い勝手のよさにある。画面には、使用されているアンプやエフェクターがラックに組まれているかのようなデザインで表示され、アンプとエフェクターの接続位置が一目でわかるだけでなく、接続順も簡単に入れ替えが可能だ。そして、「GUITAR RIG 6 PRO」では、画面表示の大きさを調整できる機能も追加されている。さらに複数のアンプ・ヘッドを並列に接続し、好きなところにエフェクトを挿入したり、キャビネットを切り替えたりすることなども行なえる。
さらに注目したいのが、アンプとキャビネットの組み合わせだ。GUITAR RIG 6 PROには、多彩なアンプとキャビネットが用意され、さまざまな組み合わせができるのが魅力だが、実際にいい音で鳴らすためには、最適な組み合わせというものがある。GUITAR RIG 6 PROには、マッチド・キャビネットという機能があり、アンプとキャビネットの最良の組み合わせを自動的にマッチングしてくれるのだ。
また、キャビネットには、最新のIR(インパルス・レスポンス)が導入され、キャビネットの響きや空気感、音の到達感などを綿密に再現し、目前でアンプが鳴っているかのようなサウンドを生み出してくれる。
GUITAR RIG 6 PROは、たんにアンプの名機の音を再現するのではなく、アンプからエフェクター、最終的に出力されるキャビネットの響きまで、まさにギタリストの理想的なスタジオを作り出せるアンプ・シム&マルチ・エフェクト・アプリなのだ。
▲画面写真の例。アンプやエフェクター類がラックで組まれたかのようにデザインされ、各モデルのセッティングもひと目でわかるようようになっている
GUITAR RIG 6 PROに搭載された最新アンプ
GUITAR RIG 6 PROには、従来の17種類(ベース・アンプ含む)の代表的なアンプの名機に加えて、3種類のブティック・アンプとヴィンテージ・アンプが新たにモデリングされた。最先端の機械学習AI、インテリジェント・サーキット・モデリングにより新たに解析し直されたサウンドは、トーンがリアルなだけでなく、真空管の振る舞いやコントロールの効き具合、そして音量と音質のバランスなどギター・アンプの特性をとことんまで追求。
コシとツヤのあるクリーン・サウンドから、微妙なピッキング・ニュアンスまで追従するクランチ・サウンド、そして音圧感のあるヘヴィ&ハイ・ゲイン・サウンドまで余すことなくモデリングされ、それぞれのアンプが持っている独自の魅力を忠実に再現してくれる。
■FIRE BREATHER(ファイアー・ブリーザー)
◎イギリス製のクラシック・アンプを改造した、アメリカ製ハンドワイヤード・アンプをモデリング。
現代的なメタル・トーンから驚くほどクリーンなサウンドまでこなせる、用途の広いハイ・ゲイン・アンプだ。
■CHICAGO(シカゴ)
◎ゲインとトーンのコントロールだけが付いた、1950年代中期のレアなコンボ・アンプ。
個性的かつ幅広い音色コントロールが可能で、ピッキングのダイナミクスへの反応にも優れている。
ノブを最大限に回すことで真空管のサチュレーションが得られる。
■BASS INVADER(ベース・インベーダー)
◎ロック感満載のパンチが効いたヴィンテージ・ソリッドステート・ベース・アンプ。
4バンドのアクティヴEQ、ヴォイシング・フィルター、ディストーションを搭載し、30年前の操作感と同じ感覚で操作できながらも、現代のロック・サウンドにもフィットしてくれる。
さらにブラッシュ・アップされた17種類のアンプ・モデル
■LEAD 800(リード800)
◎ナイフのように鋭く突き刺すような緊迫感のあるリード・サウンドが特徴。
同じ英国製アンプの「PLEX」はファットなリズム・サウンドだが、本機はエッジがあり、より前面に出るサウンドだ。
■TWEEDMAN(ツイードマン)
◎TWEEDMANは、もともとはベース・アンプとして設計されたアメリカ生まれのアンプを再現。
クリーンかつコシのあるクリーン・クランチ・サウンドは多くのギタリストに愛用されている。
■GRATIFIER(グラティファイアー)
◎マルチ・チャンネルのソロ・ヘッドをエミュレートしたアンプ・モデル。
4つめのチャンネルが追加され、クリーンなサウンドからエッジの効いた激しいディストーションまで、あらゆるトーンを表現。
■BASS PRO(ベース・プロ)
◎ざらついた唸るようなサウンドで、ミックスにおいてベースのサウンドを際立たせてくれる。
音質を正確に調整するグラフィック・イコライザーを装備し、多彩な音色をコントロールできる。
以上の他にも、「COOL PLEX」「PLEX」「HOT PLEX」「JUMP」「TWANG REVERB」「TWEED DELIGHT」「HIGH WHITE」「CITRUS」「SATCHED VAN 51」「AC Box」「HOT SOLO+」「JAZZ AMP」「ULTRASONIC」などのアンプが搭載されている。
高品位なエフェクト群
GUITAR RIG 6 PROは、アンプ同様にクオリティの高いエフェクト・サウンドを54種類搭載している。伝統的な11種類のファズやディストーションをはじめ、ディレイ&リバーブ、モジュレーション、フィルター、ワウ、EQ、コンプレッサー、リミッター、ノイズ・ゲートなど、どれもすぐに使えるエフェクトばかりだ。
さらに、プロがレコーディングやミックスで使用する、アウトボードと呼ばれる高性能なコンプやプリアンプも搭載されている。
▲歪み系エフェクト・サウンドの一例
▲こちらはコンプレッサーのVC 2A
新しく搭載された多彩なサウンド
GUITAR RIG 6 PROには、伝統的なアンプやエフェクトだけでなく、録音スタジオや音楽制作の現場、DJパフォーマンスなどでも活躍しているネイティブ・インストゥルメンツの定評あるサウンドが多数移植されている。
例えば、ドイツのインダストリアル・メタル・バンド、ラムシュタインのギタリスト、リヒャルト・Z・クルスペとのコラボレーションによって完成した「RAMMFIRE」。これは、リヒャルトが使用している「Dual Rectifier Revision C」をモデルに、彼の作り出すサウンドを再現したもの。空間を埋めるリフや超高速のアタック、骨に響くようなオーバードライブを得意としているサウンドだ。
この他にも、象徴的なフリケンシー・シフター、ビット・クラッシャー、ディストーションに現代的なテイストを加えた「CRUSH PACK」。ヴィンテージ・モードと現代的な機能を兼ね備えたコーラス、フランジャー、フェイザーによるモジュレーション系エフェクト「MOD PACK」。繊細な空間やリバーブを作ることに適した万能型クリエイティヴ・リバーブの「RAUM」。明るく、ハーモニックな深みと個性を持つ、2つのホール・リバーブを忠実に再現した「REVERB CLASSICS」。3つのノブだけでミックスの修正から、耳障りなピック・サウンドの除去、音の輪郭の明瞭化、ブレンド、シェイピングをこなすことができるダイナミック・エフェクト「TRANSIENT MASTER」など多岐にわたっている。
これらの音色には単品の商品として販売されているものまで含まれている。また、プリセット・サウンドには、有名なアーティストが作成した音色も内蔵されており、即戦力のサウンドが数多く用意されているのもうれしいところ。そして今後、ユーザーからリクエストのあったアンプや世界的に有名なアーティストが作成したプリセットが追加されるというので、今から楽しみだ。
■RAMMFIRE(ラムファイアー)
■MOD PACK(モッド・パック)
■TRANSIENT MASTER(トランジェント・マスター)
キャビネットの種類だけでなく、アンプとの組み合わせや収録するマイク、
マイキングも自在に調整できる
GUITAR RIG 6 PROは、キャビネットの種類も豊富で、アンプとの組み合わせを簡単にセット・アップできる「マッチド・キャビネット」(写真下)という機能も装備している。この機能には、自動的に理想的なアンプとキャビネットの組み合わせがプログラムされている他、キャビネットの鳴りの響き具合もスライダーを動かすだけで簡単に調整できる。
また、キャビネットから再生されるサウンドを収録する際のセッティングを自由に調整できる「コントロール・ルーム・プロ」(写真下)という便利な機能も装備している。
集音するマイクはタイプの異なる8種類のマイクを選べる他、キャビネットのどの位置を狙って収録するか「キャップ」、「エッジ」、「コーン」(スピーカーのセンターから近い順)の3つのポジションでセットアップできる。アマチュアではなかなか難しいこうした複雑なマルチ・マイクのセットアップも視覚的に簡単にできるのだ。
アンプのセッティングからキャビネットの調整、マイキングまでをひとつの画面で行なえる使い勝手のよさもGUITAR RIG 6 PROならでは。
このように、GUITAR RIG 6 PROは、ライヴ会場で鳴っているかのような空気感から、デッドなスタジオで録音したアンプ・サウンドまで、ギター・サウンドを自在に作り出すことができるのだ。
▲画面右下部がコントロール・ルーム・プロ
▲コントロール・ルーム・プロの操作画面。
コントロール・ルームでは、キャビネットのサイズ、数などを希望のモデルからを選び、次に収録するマイク、そしてキャビネットのどの位置を狙ってマイキング(収音)するかを決めることができる。また音質や空気感も設定可能だ
■製品の詳細&購入■
ネイテイヴ・インストゥルメンツ・ジャパン
https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/guitar/guitar-rig-6-pro/