ワイヤレスでもV7のサウンドを!

数多くのプロ用マイクをラインナップするsEエレクトロニクスから、ユニークな製品が登場した。
同社の人気マイクであるV7のカプセル部を独立させ、シュアーやゼンハイザーのワイヤレス・トランスミッターに接続して使えるというものだ。その魅力について輸入元であるフックアップの田中氏が語ってくれた!
※WeROCK 073の掲載記事より。

 

sE Electronics V7 MC1(シュアー用) ¥13,800+税

V7 MC1のカラー・ヴァリエーションはレギュラー(左)とブラック(右)の2種類

sE Electronics V7 MC2(ゼンハイザー用) ¥14,800+税

V7 MC2には、4つのカラー・ヴァリエーションが揃っている。トランスミッターのカラーに合わせたり、好みのカラーが選ぶことができる。左より、レギュラー、ブラック、ブラック・ブルー、ブルー

 

〈仕様〉●タイプダイナミック ●ヴォイス・コイル素材アルミニウム ●マグネット素材ネオジム ●指向性スーパー・カーディオイド ●周波数特性40Hz〜19kHz ●感度: 2.0 mV/Pa(-54 dB) ●インピーダンス:300Ω ●接続性:ゼンハイザー製ハンドヘルド・トランスミッターと互換 ●外形寸法:V7 MC1=54(直径)×92(長さ)mmV7 MC2=54(直径)×87(長さ)mm ●重量 :V7 MC1=150 g、V7 MC2=116 g

 

——まず、ヴォーカル・マイクのVシリーズ全体の特徴を教えてください。
田中:sE Electronicsでは創業以来、コンデンサー・マイクやチューブ・コンデンサー・マイク、そしてリボン・マイクを展開してきました。しかし、このVシリーズは同社で初のダイナミック・マイクということが大きな特徴といえますね。今まではおもにレコーディングの現場で使われることを想定したラインナップだったわけですが、ライヴ・サウンドにおけるニーズも大きく、開発をスタートさせたわけです。開発にあたっては、最高のダイナミック・マイクを作ることをテーマに、サウンドがいいことはもちろん、使い勝手や堅牢さ、価格設定も考えられていました。Vシリーズの中のV7は、とくにヴォーカル・マイクとしての性能に特化しています。苦労したのは、やはり心臓部であるカプセルのDMC7の開発ですね。サウンド・キャラクターを決定づけているのがアルミニウム製のヴォイス・コイルなのですが、軽量化もされていて、声を素早くキャプチャできます。


心臓部のヴォイス・コイル。
サウンドのクオリティと軽量化などを追求し、開発された

——V7の指向性は?
田中:ハイパー・カーディオイドです。一般的なカーディオイド(単一指向性)よりも鋭くなっています。これにより、ステージ上でも要らない楽器の音がかぶってくることを最小限に抑えられます。
——ハウリング対策はどうなっていますか?
田中:ハイパー・カーディオイド指向性が一役買っていますね。さらに、特許を取得している内蔵ショック・マウント。これはグリルを外してもらえばわかるのですが、ひじょうに柔らかい素材の上にカプセルが取り付けられています。不要なソースからの干渉も防げますし、ハウリングだけではなくハンド・マイクで歌った場合に、とくに効果的です。
——V7は、現在、どういったプロ・ミュージシャンに愛用されていますか?
田中:V7を使うプロフェッショナルがどんどん増えています。米国の大物ミュージシャンとツアーをするエンジニアから、たいへん好評をいただいていますよ。最近メディアでも多く取り上げられている、ビリー・アイリッシュは代表的なヴォーカリストですね。
——V7は、どういった声質のヴォーカリスト、どんなジャンルのヴォーカリストに向いていますか? ハード・ロックやヘヴィ・メタル系ヴォーカリストにもオススメですか?
田中:さまざまな声質・声量のヴォーカリストに向いているといえます。先ほど挙げたビリー・アイリッシュなどは小さな声で歌うタイプですが、ライヴでも音作りが容易だとエンジニアのドリュー・ソントン氏がコメントをくれました。もちろん、ハード・ロックやヘヴィ・メタル系ヴォーカリストにもいいと思います。アルミニウム製のヴォイス・コイルは、とてもスムーズに声をキャプチャしますから。サウンドそのものではないですが、堅牢なボディもそういったジャンルのヴォーカリストには重要かもしれませんね(笑)。
——そのV7のマイク・カプセル部のみも発売されていますね。シュアーのワイヤレス用に発表されたV7 MC1に続いて、ゼンハイザー用のMC2が新発売となりましたが、やはりゼンハイザー用にもV7のマイク・カプセルの発売を、というリクエストは多かったのでしょうか?
田中:ライヴの現場では、シュアーとゼンハイザーのワイヤレス・システムがやはり2大ブランドで、両方をカヴァーする必要はありました。V7が完成されているモデルなので、MC2を開発するにあたっては、とくに問題なく進めることができましたね。


装着イメージ。マイク・カプセルをワイヤレスのトランスミッター部に付ける

——V7 MC2に続いては、sEエレクトロニクス社としてどんな新製品を予定していますか?
田中:まだ発表できるものはありませんが、今まで培ってきたレコーディング現場やライヴ・サウンド現場でのノウハウを活かした、新しいジャンルのマイクロフォンの開発も充分に可能性があると言っておきましょう。


すでに定評を得ているV7。
そのクローム・メッキ・ヴァージョンも発売されたばかりだ。
価格は¥13,500+税

 

■通販で購入可能■
○イケベ楽器
https://www.ikebe-gakki.com/ec/cmHeaderSearchProduct/doSearchProduct/cmHeader/%20/%20/1?wd=V7%20MC&registKeyword=true
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/se-elc-v7-mc2

 

問:株式会社フックアップ
https://hookup.co.jp/products/se-electronics/