7弦を制する者はギターを制する!?〜K-A-Z×シェクター編
この世に登場してからすでに30年以上はすぎていると思われる7弦ギター。現在では、多くのギタリストに愛用されているが、まだまだ6弦愛用者にとっては未知の部分が多いのも事実。そこで、あらためて基本に立ち返り、7弦ギターに迫ってみた。さまざまなメーカーから発売されている7弦モデルをそれぞれ4人のギタリストが試奏し解説してもらった!
※WeROCK 069の掲載記事より。
シェクター C-7 APOCALYPSE ¥170,000+税
〈仕様〉 ●ボディ:スワンプ・アッシュ ●ネック:メイプル/パドゥーク with カーボン・ファイバー・レインフォースメント、セット・ネック ●指板:エボニー ●ピックアップ:シェクターU.S.A. アポカリプスⅦ ●コントロール:ヴォリューム×2(プッシュ/プルでコイル・タップ)、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:ヒップショット・ハードテイル
▲ヴォリューム・コントロールを引き上げるとピックアップをコイル・タップできる
▲C-7 APOCALYPSEのネック・ジョイント部。なめらか、かつていねいな仕上がりだ
シェクター C-7 SLS ELITE ¥180,000+税
〈仕様〉 ●ボディ:フレイム・メイプル・トップ+スワンプ・アッシュ ●ネック:メイプル/ウォルナット with カーボン・ファイバー・レインフォースメント、スルーネック ●指板:エボニー ●ピックアップ:フィッシュマン フルエンス・モダン・アルニコ・マグネット(フロント)、フィッシュマン フルエンス・モダン・セラミック・マグネット(リア) ●コントロール:ヴォリューム(プッシュ/プルでデシベル切り替え)、トーン(プッシュ/プルでデシベル切り替え)、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:ヒップショット・ハードテイル
▲C7 SLS ELITEはスルーネックだ。ネック自体はウォルナット/メイプルとなっている
▲ボディ裏に、ピックアップを稼働させるための9v乾電池をセット。
弦は裏通しになっているのもわかる
K-A-Z:まず、C-7 APOCALYPSEは、持ってすぐにわかるのが軽い! これ、ステージで、すごくラクだろうな〜。これだったら疲れないな(笑)。俺のシグネイチャーと比べるとわかるんですが、ぜんぜん軽くて持ちやすい。
ところが、音を出して弾いた最初の印象が、すごくモダンなトーンが出せるギターなんですよ。俺のシグネイチャーよりも、もっとミッド・ローが強調されてる印象です。ローの出方に特徴を感じというか、充分に出てくれる。なので、逆に5〜6弦あたりの低域がちょうどいいんですよ。
タップ・スイッチが付いているからシングルにもなるんですが、7弦目を弾く時にローが出すぎると感じたらタップして弾けばいい。このモデルもシングルの感じは、すごくいいですね。7弦で鳴らす時は、シングルで使うのがオススメです。このジャリっていうエッジの感じがいい。それでいて、もともと低域がふくよかだから、シグネイチャーよりパワー・コードを弾いた時のローの成分を感じる。それこそ、KORN的なリフを弾きたいならハムバッキングのまま弾くとピッタリのトーン。さらに、アンプのほうで低音を出せば、かなりの重低音になりますね。
これはセット・ネックですかね? ずっとデタッチャブル系のモデルを使ってると、このハイ・ポジションの弾きやすさがうれしいですよ。すごく弾きやすい。あとは、トレモロ・ユニットじゃなくて、弦が裏通しになってるから、チューニングがすごくラク(笑)。最近、7弦目を1音下げてAにして弾いたりもするんだけど、これならすぐにドロップできますもんね。
(どんどん弾いていって)ホント、これはすごく弾きやすい。俺のモデルより、こっちのほうが弾きやすいかも(笑)。このモデルに比べるとシグネイチャーは、扱うのがすごく大変なんですよ(笑)。これは、弦高のバランスとかもすごくいいし、俺のよりややフレットは細めなのかな? 弾きやすいから、このモデルなら初めて7弦を手にする人にもすごくいいんじゃないかな。入門向けにしてもいいギターだし、すごく弾きやすい7弦だと思いました。ただ、指板にポジション・マークがないから、初心者は戸惑うかもだけど、それがカッコいいんだよな〜(笑)。ジャンル的には、やっぱりメタルに合うギターだと思います。
いっぽうC-7 SLS ELITEは、少し重い! C-7 APOCALYPSEよりもズッシリしてるかも。ファースト・インプレッション的には、このモデルのほうがネックが薄く感じる。で、今度は、ピックアップがアクティヴなんですね。音を出すと、すぐにパワーを感じる。やっぱりアクティヴ・ピックアップならではの音でメタル・コアなトーンですよ。
ノブに付いているスイッチでデシベル調整ができるみたいで、アクティヴ・サウンドとパッシヴ・サウンドを切り替えられます。これを使うとトーンの感じも変わってくるし、かなりサウンドの幅が広く使える。俺がタップを使ってシングルにして低域を削っている感じとは違うんだけど、これはこれでトーンのニュアンスに変化を出せるからサウンド・キャラクターが多くなる。例えば、バッキングはリア・ピックアップのパッシヴ・サウンドで弾いていて、ソロではフロントのアクティヴ・サウンドで弾く、みたいなね。逆にフロントをパッシヴにしてクリーン・トーンを弾くと、めっちゃ気持ちいいクリーンが出せます。
弾き心地は、ネックが薄く感じるので、すごく弾きやすい。で、さっきのモデルもこのモデルも、俺のシグネイチャーとは違って指板がエボニーなんですね。でも、ぜんぜん違和感ない。フレットの感じは、俺のと一緒な感じで太めかな。そして、これはスルーネックなんですね? ハイ・ポジションがさらに弾きやすいのはもちろんだけど、でかい音を出した時にサスティンとかも気持ちいいでしょうね。先ほどのモデルが初心者にオススメと言ったけど、もっといろいろな音を出したいギタリストなら、こちらがおもしろいかも。パッシヴ・サウンドにしてクリーン・トーンでアルペジオを弾いて、歪みはアクティヴ・サウンドにしてメタリックな音を出すという多彩なサウンドが出せます。フロントでクリーンを出すと、ホント、いい音が出ますよね。
K-A-Zのシグネイチャー・モデル
シェクター AC-KZ/SIG1 ¥600,000+税
シェクター AC-KZ/SIG2 ¥600,000+税
〈共通仕様〉 ●ボディ:アルダー ●ネック:メイプル、ボルト・オン ●指板:ホンジュラス・ローズウッド ●ピックアップ:サスティニアック7st(フロント)、セイモア・ダンカン SSL-5-7st(センター)、セイモア・ダンカン SH-4-7st(リア) ●コントロール:ヴォリューム、トーン、ミニ・トグル・スイッチ(リア・ピックアップ・タップ)、CRL 5ウェイ、オン/オフ・スイッチ、サスティニアック・インテンシティ
K-A-Z:7弦はローの整理が必要で、アンプでローを切るというよりも、タップ・スイッチでシングルコイルにしてローを削るのが好みなんだ。このモデルは、タップでシングルにすることでハムバッキングよりシャリっとするし、俺が求めていたローの整理にピッタリなシステムを搭載している。
で、スイッチがヴォリューム・ノブに付けたりするけど、俺のはトグル・スイッチにしてもらってる。バッキングはシングルコイルで、ソロはハムバッキングで弾くんだけど、そうする時にちょうどいいんだ。さらに、ロー・カット・スイッチも付けていて、THE冠のようなメタル系が強いバンドの場合は、バッキングもハムで弾きつつ。このコントローラーでロー・カットするとちょうどいい。サスティニアックは、オンにすると、タップでシングルになっていたとしてもハムバッキングに切り替わる。あと、多彩なトーンを作り出すために5ウェイ・スイッチにしている。
問:シェクター・コーポレーション株式会社
https://www.schecter.co.jp/
※WeROCK 069の誌面では、“K-A-Zが教える7弦克服法”も掲載しているのでぜひチェックしてほしい!
◎K-A-Z/カズ。カイキゲッショクや、昨年いっぱいで活動を休止したサッズをはじめ、多彩な活動を展開しつつ、ソロとしても精力的に活動。7弦のみならず、8弦や9弦も使いこなす、ヘヴィ系ギタリストの代表格である。また、Ju-Ken(b)、MOTOKATSU(ds)とスタートした新バンドではフロントマンを募集中だ。
K-A-Z公式ツイッター
https://twitter.com/thekazrock
ソロ作品
『The Edge of Death-attacK-A-Zenith Live-』
LOUDER THAN RECORDS ¥2,000(税込)