【楽器企画】平成 発明王〜アンプ編

WeROCK EYESで絶賛公開中の楽器企画ページ“平成 発明王”。
続いては、アンプ編をお届けしよう。
今回も各モデルの通販購入サイトを掲載しているので、楽器購入の参考にしてほしい!!
※WeROCK 068の掲載記事より。

 

■アンプ部門■

歪みのキャラクターを変える
“パワー・アンプ・サギング機能”を搭載。
ANCHANG(セックス・マシンガンズ)が試す!

ヒュース&ケトナー Black Spirit 200

——この新製品をすでに家で鳴らしたり、ライヴでも使ったりしているそうですね。
ANCHANG
:家ではスピーカーではなく、ヘッドフォンで鳴らした程度ですけどね。そのうえでの印象としては、これまで数多くのチューブ・アンプをシミュレートしたものを弾いてきましたけど、その中ではダントツでチューブ感があります。弾いている側はタッチの違いを感じますけど、パッと聴いて“これ、トランジスタですよね?”ってわかる人はいないと思いますよ。あと、パワー・アンプ・サギングという機能が、よくできていると思います。この機能はイメージ的には、“真空管ブースト”という感じで、ツマミを上げていくと真空管アンプ独特の“音が潰れていく”感じがします。全体的な音は、僕が好きなヒュース&ケトナーそのものですしね。
——そのヒュース&ケトナーの音とは?
ANCHANG
:世の中のアンプはざっくりとマーシャル・タイプかメサ・ブギー・タイプに分かれると思うんですが、僕の中ではマーシャルの王道感がありつつ、さらに弾きやすいというのがヒュース&ケトナーなんです。僕が聴いてきた、80年代や90年代の音を再現できるのがヒュース&ケトナーなんですよね。
——そして、4チャンネル仕様についてですが、それぞれのキャラクターについては?
ANCHANG
:まず、クリーン・チャンネルはトランジスタならではのシャキっとしたところを基本に、ヒュース&ケトナーならではのジャリっとした感じもある。素晴らしいです。クランチはジャリンというかゴリっとした芯がありますね。クランチというと、ふつうはパンクとかグランジのイメージですけど、TRIAMP MARK3からヒュース&ケトナーのクランチって70年代ハード・ロックの方向になってるんですよね。好みですね。リード・チャンネルはマシンガンズで使えますね。ブースト・スイッチは、オーバードライブを1個足したのかなと思うぐらい、がっつりとキャラクターが変わるし、使いやすいですよ。ウルトラはすごい歪みます。例えは古いですけど、アンスラックスのようなドンシャリでのリフから今時のデス系、ヘヴィ・ロック系までいけます。TRAIAMP MARK3もそうですけど、クリーンからハイ・ゲインまで1台で幅が広すぎだろと(笑)。これだけ音が幅広いから、まだ研究中というのが正直なところです。これからいろいろ試してみたい。
——どういったギタリストにオススメでしょうか?
ANCHANG
:ジャンル的には何でもいけます。そして最大の利点、特徴はこれだけ小さくて軽いのに、出力が200wということなんです。宅録する人から本気でライヴをやっていくというギタリストまで、広く対応できると思いますよ。

 

エジソン度 ★★☆☆☆
注目したいのは、アナログ・アンプとしては世界で初めて“パワー・アンプ・サギング”という機能が搭載されたことじゃな。真空管に高い負荷がかかると真空管への電源電圧が急に下がるんだが、これで歪みの質が変わり演奏表現を広げるひとつにもなるんじゃ。この働きをトランジスタ・アンプで再現しているのがこの機能じゃな。チューブ・アンプが好きなギタリストには試してほしい1台じゃ。

 

サギング機能は8段階から選べる。右に回していくとどんどん“音が潰れていく”感じになる

真空管回路の複雑な相互作用を再現するSPIRIT TONE GENERATOR。
この機能を象徴するかのように、中央にオレンジ色に光る小窓が設けられている

ANCHANGは、すでにセックス・マシンガンズのライヴでこの新アンプを使用している!

“セックス・マシンガンズでのバッキングのようなサウンドならこんな感じで“とANCHANG。
クランチ・チャンネルではEQはそのままにゲインをフルまで上げて、ブースト・スイッチをオンにするのがオススメとのことだ

 

■通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/amp-hughes-kettner/gd19445
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/596414

問:パール楽器製造株式会社
https://www.pearlgakki.com/handk/HUK_BS200_H_fix.php

 

ギター・アンプの概念を変えた最新モデル達!

マーシャル CODE 100H、他

ケンパー POWERHEAD

ポジティヴ・グリッド BIAS Mini Guitar

シナジー SOLDANO-SLO module、他

ギター・アンプと聞いて想像するのは、スタック・アンプ? それともコンボ? あるいは……そう、現在ではひとくちにギター・アンプと言っても、さまざまなタイプがあるのはもう常識。
そんな中でも、平成発明王というか近年、大きな波を起こしたのがケンパーではないだろうか? いわゆるアンプ・シミュレーターではなく、実際のアンプの音を高度にプロファイリングするという斬新なアイディアに、国内外のトップ・ギタリストが感嘆した。例えば所有しているチューブ・アンプの音をプロファイリングすることで、つねにケンパーからベストな状態のサウンドを鳴らすことができるのは大きなメリット。ヴィンテージのチューブ・アンプをツアーなどで使うことは故障などを考えると勇気がいることだったが、ケンパーなら気軽に持ち運べるのだ。
そして、ギター・アンプの雄、マーシャルからも満を持してのデジタル・アンプ、CODEシリーズが発表されている。マーシャルの歴代の名器などをリアルにモデリングしたサウンドを内蔵し、その使い勝手のよさとともにギタリストに衝撃を与えたシリーズだ。
同じくギタリストから注目を集めたのがポジティヴ・グリッドのバイアスだろう。真空管アンプ・モデリングの研究から誕生したiOSアプリの“JamUp”でそのハイ・クオリティなサウンドで脚光を浴びたのだが、そのサウンドをハードウェアでも展開。現在は、BIAS Headというアンプ・ヘッドやディストーション・ペダルのBIAS Distortionなど、多彩なモデルを発表している。その中でもリアルな真空管アンプ・サウンドを、ギター・ケースのポケットに入るサイズで実現したのが写真のBIAS Mini Guitar。付属のソフトウェアで自分だけのアンプを組み上げることもできる。
真空管ならではのサウンドを愛好するギタリストは多いが、そうしたプレイヤーに応えたのがシナジーだろう。これは、アンプ界の達人であるデイヴィッド・フリードマンやマイク・ソルダーノらがデザインしたチューブ・プリアンプ・モジュールを選べるというもの。現在、10種類以上のプリアンプ・モジュールがラインナップしており、先日の楽器フェアでも注目を集めていた。今後、ギタリストにもっと広まっていくことを期待したい。
他にも、ブランドを挙げるだけでも、ライン6やフラクタルなども、プロのライヴやレコーディングで愛用されていることを付け加えておこう。

エジソン度 ★★☆☆☆
やっぱりロック・ギターはチューブ・アンプじゃな……と言っても、稀少なアンプなどは手に入れにくい。そうした憧れに応えて、近年はいろいろなアンプが発表されているんじゃな。今ではそうしたチューブ・サウンドが身近になったと言える。大型スタックが欲しいというギタリストが減ってきているのは寂しいところじゃが、手軽さという意味ではいい時代なのかもしれんな。

 

■通販で購入可能■
ケンパー POWERHEAD
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/DS04507719
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/573966
ポジティヴ・グリッド BIAS Mini Guitar
○MIオンラインストア
http://store.minet.jp/item/5891/210.html
シナジー SOLDANO-SLO module、他
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/srDispCategoryTreeLink/doSearchCategory/11030P0k000/04-05/4/1
○イシバシ楽器店
https://store.ishibashi.co.jp/ec/cmHeaderSearchProduct/doSearchProduct/cmHeader/%20/%20/1?wd=synergy
○ESP BIG BOSS
https://bigboss.jp/store/products/list?category_id=&name=SYNERGY
○chuya-online
http://www.chuya-online.com/category/1300/index.html

 

マーシャル CODEシリーズ
問:株式会社ヤマハミュージックジャパン
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/

ケンパー POWERHEAD
問:株式会社コルグ
http://www.korg-kid.com/kemper/

ポジティヴ・グリッド BIAS Mini Guitar
問:株式会社メディア・インテグレーション
https://www.minet.jp/brand/positivegrid/bias-head-mini-guitar/

シナジー SOLDANO-SLO module、他
問:株式会社モリダイラ楽器
http://moridaira.jp/synergyamps

 

iPhoneやiPad、Macがギター・アンプになる!

IK MULTIMEDIA Dimebag Darell CFH Collection

ポジティヴ・グリッド BIAS AMP 2

上で、新しいギター・アンプについて触れたが、その最たるものが、iPhone、iPad、Macやパソコンなどで使える、ギター・アンプ・アプリ/ソフトだろう。これこそ、平成の、しかも近年の技術がなければ誕生してこなかったものだ。その品質もあなどれず、Ryoji(ギゼ)は音がよく移動もラクなどの理由から、AMPKITというアンプ・アプリでライヴを行なっている。
そんな中でも、注目したいのがIKマルチメディアが手掛けるアンプリチューブに登場したばかりのDimebag Darell CFH Collectionだ。これはその名のとおり、パンテラのダイムバッグ・ダレルのサウンドに特化したアンプリチューブ。しかも『COWBOYS FROM HELL』の制作で使用された9種類の機材を忠実に再現しているというから、ファンならずとも気になるところだ。
そして、もうひとつ挙げておきたいのがポジティヴ・グリッドのBIAS AMP 2だ。こちらは“ヴァーチャル・アンプ・デザイナー”と称され、100種類以上のプリセットが使える他、プリ管やパワー管などを自由に入れ替えて、自分だけのアンプをデザインできるというもの。また、アンプの外観やキャビネット、マイキングなどの設定も行なえるという、ヴァーチャルでアンプをデザインし、音を作り上げていくというものなのだ。
いやあ、すごい時代になったものだ。

エジソン度 ★★★★★

 

 

 

 

 

■通販で購入可能■
IK MULTIMEDIA Dimebag Darell CFH Collection
○IKオンラインストア
https://www.ikmultimedia.com/products/index.php?R=SHOPSEARCH&Q=cfh
○beatcloud.jp
https://beatcloud.jp/product/916
ポジティヴ・グリッド BIAS AMP 2

○MIオンラインストア
http://store.minet.jp/search/index/page/1/word/BIAS+AMP.html

 

IK MULTIMEDIA Dimebag Darell CFH Collection
問:IKマルチメディア
https://www.ikmultimedia.com/products/dimebag/

ポジティヴ・グリッド BIAS AMP 2
問:株式会社メディア・インテグレーション
https://www.minet.jp/brand/positivegrid/bias-amp/

 

 

ベース・アンプの定番として定着した、
クラスDの小型&軽量なモデル達

エデン TERRA NOVA TN501

 

ギャリエン・クルーガー MB200

マークベース Little Mark 800

これまた便利な新発想だ。エフェクト・ループとプログラミングを可能にしたスイッチャーに、なんとディレイ、リバーブ、モジュレーション、ピッチ・エフェクト、オーバードライブ、ディストーションなどなどギター/ベース用のエフェクトを合計112種類搭載したモデル。外部のエフェクトは3系統のみ接続できるが、内蔵エフェクターは6系統同時使用可能で充分すぎるループが組める。
“マルチ・エフェクターがあればコンパクトはいらないんじゃない?”という方もいそうだが、音にこだわるギタリスト/ベーシストなら、歪み系やフェイザーはアナログ・エフェクター、空間系はデジタルでいろんなセッティングにしたいという人も多い。そんなニーズに応えてくれる1台だ。

エジソン度 ★★☆☆☆

 

 

 

 

 

■通販で購入可能■
ギャリエン・クルーガー MB200
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/161998/list.html
マークベース Little Mark 800
○イケベ楽器店
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/199962

 

エデン TERRA NOVA TN501
問:株式会社ヤマハミュージックジャパン
https://jp.yamaha.com/products/brands/eden/amplifiers/terra_nova/tn501/index.html

ギャリエン・クルーガー MB200
問:株式会社神田商会
https://www.kandashokai.co.jp/flos/gallien_krueger/bass_amplifiers/mb/mb_200.html

マーク・ベース LIttle Mark 800
問:パール楽器製造株式会社
https://www.pearlgakki.com/markbass/MAK_LM800.php