hideのギター・サウンドを作る!〜Line 6編
hide with Spread Beaverのスペシャル・パッケージ『REPSYCLE THE REPSYCLED』から「ピンク スパイダー」と「TECHNO POP(demo)」で聴けるhideのギター・サウンドをシミュレーションする企画をお届けしよう。
デジタル編はLine 6でのシミュレーションだ。
最新技術によるクオリティと使いやすさが両立!
Line 6
HX STOMP
¥129,800(税込)
▲リア部の入出力端子類。左端にエクスプレッション・ペダルをつなぐことで、ほとんどのパラメーターやその組み合わせをコントロールできる
【仕様】
●アンプ・モデル:112
●キャビネット:87
●エフェクト・モデル:274
●プリセット:126(42バンク×3)
●最大同時使用ブロック数:8
●シグナルフロー・オプション:最大2ステレオ、シリアル or パラレル
●スナップショット:3(各プリセット)
●グローバルEQ:3フル・パラメトリック + ロー&ハイ・カット(可変)
●メイン・ディスプレイ:2.4/6(カラー)
●コントロール:HOME/VIEWボタン、ACTIONボタン、アッパー・ノブ、ロワー・ノブ、PAGEボタン、ヴォリューム・ノブ、ノブ×3 ●フット・スイッチ:キャパシティヴ・タッチ w/RGBリング×3、外部×2
●入出力端子:インプット(L/MONO、R)、アウトプット(L/MONO、R)、エクスプレッション・ペダル・イン、USB、MIDI(イン、アウト/スルー)、ヘッドフォン・アウト、ステレオ・センド・アウト、リターン/AUXイン(L/MONO、R)
●外形寸法:178(幅)×68(高さ)×126(奥行き)mm
●重量:0.79kg
■サウンド・シミュレーション
「ピンク・スパイダー」のイントロ・リフ(CD TIME:0:20〜)
hideはエングル系アンプを使用することがあったので、切れ味のあるハイ・ゲイン・サウンドが魅力のエングル Fireball 100をモデリングした「ANGL Meteor」を選択してサウンドを作り込んだ。キャビネットには、ボグナー Uberkab 4×12をモデリングした「4×12 Uber T75」を組み合わせた。マイクには定番のシュアー SM57をモデリングした「57 Dynamic」を使用し、スピーカーの正面に配置。さらにロー・エンドを少し整理することで、ドロップDチューニングの低音を残しながらも、リフの輪郭がはっきりと浮かび上がるサウンドを狙った。
まずはアンプ側のMID BOOSTスイッチをオフにしてゲインを調整。すると、驚くほど簡単に、歪みペダルを追加することなく重厚で切れ味のあるリフ・サウンドが完成した。ANGL Meteorは、低域に充分な厚みを持ちながらも音が潰れにくく、刻み系のリフとの相性が抜群。さらにMID BOOSTをオンにすると、中域に押し出し感が加わり、ソロにも対応できる太くクリーミーなトーンへ変化。より近づけることができた。
「TECHNO POP」のイントロ・リフ(CD TIME:0:04〜)
アンプ・モデルにはマーシャル JCM800 100Wを再現した「Brit 2203」を選択。キャビネットにはMarshall 1960系キャビネットをモデリングした「4×12 1960 T75」を組み合わせた。
アンプ側は軽くクランチする程度に設定し、歪みペダルにはマクソン SD9 Sonic Distortionをモデリングした「Hedgehog D9」を追加。マーシャル系アンプとの相性は抜群で、単純にゲインを増やすだけではなく、適度なコンプレッションとタイトなロー・エンドを加えることで、リフに必要な力強さと切れ味を両立できた。
マイクにはゼンハイザー MD 421をモデリングした「421 Dynamic」を選択。SM57よりも中域に厚みがあり、今回のような太いリフ・サウンドにはよく似合う。マイク位置はスピーカーのセンター付近に設定し、さらにロー・エンドの整理のため67Hz以下をロー・カット。低音の迫力を残しながらも、ミックスの中でも埋もれないタイトなサウンドに仕上げた。
試奏〜HX STOMP
HELIXシリーズで培われたサウンドとテクノロジーを、コンパクトなストンプ・サイズへ凝縮したアンプ/エフェクト・プロセッサーのHX STOMP。サウンド・エンジンには上位モデルと同じHelix Coreを採用しており、小型ながら音質面で妥協はいっさいない。フェンダー系やブティック系アンプの艶やかなクリーン、粘りのあるクランチ・サウンドもいいが、特にエングルや5150などのハイ・ゲイン系アンプの再現度は圧巻。ライン接続でも4×12キャビネットをフル・ドライブして鳴らしているような厚みと迫力を作ることができた。
そして、実機のアンプやキャビネットを鳴らしマイクで録音する場合、本当にいい音を作るのはマイクのセッティング1つに関しても時間がかかるもの。しかし、本機では一度セッティングを決めてしまえば、いつでもそのサウンドを瞬時に鳴らせるのはすごいアドヴァンテージだ。また、アップデートによって搭載アンプやエフェクトの数も増え続けており、現在では膨大なサウンド・ヴァリエーションを誇る。パラメトリックEQも帯域やQなど細かく設定できるし、モジュレーションやディレイ、リバーブなどの空間系のサウンドも一級品。しかもキャビネット・シミュレーターだけでなくサードパーティ製のIR読み込みにも対応しているため、レコーディング用途でも本格的に活躍してくれる。
また、本体サイズからは想像できないほど音作りの自由度も高い。エフェクト・ブロックには最大8つまでエフェクトを配置でき、クリーンとリードで信号を分けるといったパラレル・ルーティングにも対応しているため、複雑なシグナル・チェインを組みたいプレイヤーにも充分に応えてくれる。
本体のスイッチが3つしかないのでライヴでの使用に不安を覚える人もいるかもしれないが、外部フットスイッチやエクスプレッション・ペダル端子を活用すれば、ギタリストに合わせたフレキシブルな使い方が可能。スナップ・ショットを使ってクリーン、クランチ、リードを3つのスイッチに割り当てて、追加したフットスイッチでプリセットを切り替えたりとライヴ環境に合わせた柔軟な運用も可能だ。専用エディターも使いやすく、膨大なパラメーターを視覚的に操作できるため、音作りのストレスも少ない。
ギター・ケースのポケットにも収まるサイズながら、ライヴからレコーディング、本格的なペダルボード構築まで対応できる、ひじょうに完成度の高いモデルだ。
▲プリセットを元にした音作りも簡単だ。まずは気に入ったプリセットを選び、使われているエフェクト・タイプを選ぶ
▲あとはコンパクト・エフェクター感覚で各パラメーターを操作すればOK。試奏レポートでも触れているが、複雑なチェインを組むこともできる
▲サイズをWeROCK本誌と比べてみるとご覧のとおり。このサイズに多彩な機能を凝縮!
さらに約800gという軽量さもあって、持ち運びにも便利だ
■HX STOMPの詳細■
https://line6.jp/hx-stomp/
Line 6
HELIX STUDIUM FLOOR
¥341,000(税込)
▲リア部の入出力端子類。マイク・インプットや2系統のエフェクト・ループをはじめ、あらゆる環境、そして音作りに対応できるようになっている
【仕様】
●アンプ・モデル:134(152)
●キャビネット:46
●エフェクト・モデル:274
●プリセット:512( 128 ダイナミック・セットリスト×32バンク×4 プリセット、カードへの複数のバックアップ)
●最大同時使用ブロック数:48
●シグナルフロー・オプション:最大4 ステレオ、シリアルまたはパラレル、複数スプリット/マージ(各パス)
●スナップショット:8(各プリセット)
●グローバルEQ:3(1/4″、XLR、Phones:5フル・パラメトリック+ロー・カット+ハイ・カット)
●メイン・ディスプレイ:8/20.3 タッチスクリーンLCD ●コントロール:ヴォリューム・ノブ、トランポート、パラメータ・ノブ×8、アッパー・ノブ、ホーム、ソング、ロウワー・ノブ、ホーム、保存、XY
●フット・スイッチ:10、モード、タンプ/チューナー
●入出力端子:コントロール・イン、インプット、マイク・イン、エフェクト・ループ×2、XLRアウト(L/MONO、R)、アウトプット(L/MONO、R)、ヘッドフォン・アウト、NEXUS、S/PDIFイン、S/PDIFアウト、MIDI(イン、アウト/スルー)、マイクロSD、USB A、USB C
●外形寸法:408(幅)×82(高さ)×241(奥行き)mm
●重量:3.4kg
■サウンド・シミュレーション
「ピンク・スパイダー」のイントロ・リフ(CD TIME:0:20〜)
豊富なアンプ・モデルを搭載する本機だけに選択肢は多いが、今回は王道ともいえるマーシャル Super Lead 100をモデリングした「Brit Plexi」をチョイス。キャビネットにはマーシャル 1960 T75 4×12を組み合わせた。
Brit Plexiは、今回のHELIX STADIUMシリーズから採用された最新のAgouraモデリングによるアンプ・モデル。そのサウンドはひじょうにリアルで、ピッキングの強弱による歪み方の変化や弦を弾いた瞬間のレスポンスは、まるで実際の真空管アンプを鳴らしているような感覚だ。マイクには、ロック・ギターのレコーディングの定番、シュアー SM57をモデリングした「57 Dynamic」を使用。スピーカーのセンター寄りに配置することで、リフに必要な鋭いアタック感をしっかりと引き出した。
さらに歪みペダルには、Hermida Audio Technology Zendriveのモデリング、「Dhyana Drive」を追加。マーシャル系アンプとの相性もよく、太さを保ちながらエッジの効いた倍音を加えることで、ドロップDチューニングの重低音リフにも負けない存在感のあるサウンドに仕上がった。
「TECHNO POP」のイントロ・リフ(CD TIME:0:04〜)
よりヘヴィでモダンなハイ・ゲイン・サウンドを狙い、ボグナー Ecstasy 101BのRedチャンネルをモデリングした「German Xtra Red」を選択。キャビネットにはボグナー Uberkab 4×12をモデリングした「4×12 Uber T75」を組み合わせた。
German Xtra Redは単体で充分なゲイン量を持っているため、今回はあえて歪みペダルを追加せず、アンプのドライヴ感を活かすセッティングにした。余計な処理をせず、ピッキングのニュアンスやリフの細かな表情までしっかりと再現しようという方向性だ。
そして、調整にはこのHELIX STADIUMシリーズから搭載された「Focus View」機能を活用。画面上の5つのサウンド・ディスクリプターをタッチ操作するだけで、複数のパラメーターを同時にコントロールできるため、細かな設定で追い込むことなく直感的に理想の方向へ音を近づけることができた。さらに「Hype」コントロールを加え、ミックス後のCDサウンドのような完成度の高い質感へ変化。たんに音圧を上げるだけではなく、リフ全体の存在感を引き上げ、迫力あるハイ・ゲイン・サウンドを作り出せた。
試奏〜HELIX STUDIUM FLOOR
Line 6のモデリング技術の集大成ともいえる最上位クラス・モデルがこのHELIX STADIUM FLOORだ。
最新のアンプ・モデリング技術「Agoura」によって、アンプ回路の挙動を細部まで解析。たんに音色を再現するだけではなく、ヴォリューム操作による音の変化やピッキングへの反応まで、実機アンプに迫るリアルな弾き心地を得ることができた。
特に印象的なのは、音の立ち上がりとダイナミクス。強く弾けばアンプが押し出され、軽く弾けばクリーン寄りに反応する。その自然な追従感は、まるで実際のチューブ・アンプを操作しているような感覚に近い。さらに、お気に入りのアンプやペダルのサウンドを取り込めるProxy機能も搭載。これまでモデリング機材では再現が難しかった、自分だけのサウンドをシステム内へ取り込めるようになった点も大きな進化だ。
操作性も従来のHelixシリーズから大きく進化。大型タッチ・ディスプレイによるグラフィカルな編集画面はひじょうに直感的で、複雑なルーティングも本体だけでスムーズに組み上げることができた。PCエディターを開かなくても、思いついたアイディアをその場で形にできる自由度の高さは大きな魅力だ。また、ライン上のどこにでもパラレル処理を追加できるなど、ルーティングの自由度も大幅に向上。たんなるアンプ・シミュレーターやマルチ・エフェクターという枠を超え、ギタリストのための総合的なシステムへ進化した1台と言える。
他にもバッキング・トラックを読み込んで活用できるショーケース機能など、演奏から制作まで幅広い用途に対応。最新技術を惜しみなく投入した、まさに次世代のギター・システムだ。
▲大きく視認性も高いLCDを装備。
例えば、アンプ・モデルを選択する時もわかりやすいグラフィックで表示される。タッチ・スクリーンなので、指先をスライドさせての感覚的な操作も可能だ
兄弟モデルとして、HELIX STADIUM XL FLOORもラインナップ!!
今回、サウンド・シミュレーションに使用したHELIX STADIUM FLOORの高いクオリティはそのままにトゥ・スイッチ付きのエクスプレッション・ペダルを備えたHELIX STADIUM XL FLOORも発売されている。
エフェクト・ループも4系統を備える他、入出力環境などの仕様の面でも上位機種という位置付けとなっている。価格は418,000(税込)。
■HELIX STUDIUM FLOORの詳細■
https://line6.jp/helix-stadium/













