サーベル・タイガー40周年記念イヴェントをレポート!

9月20日にZepp Sapporoでサーベル・タイガーの結成40周年を記念するイヴェント“大牙虎祭”が行なわれた。
エントランスにはサーベル・タイガーの歴代のTシャツやデモ・テープやプロモーション用の音源などが展示され、来場者の目を楽しませていた。その模様をレポートしよう。


■サーベル・タイガー 第1部/r.■

MCと下山武徳によるオープニング・トークが終了すると祭の開催を告げるべく彼らの初のシングルから「Rise」が流れ、オリジナル・サーベル・タイガーがまず登場。
今井理浩(vo & b)が「ここから北海道の、札幌のメタルが始まったんだぜ」というシャウトの後に木下昭仁(g)のギターから「Metal Rider」のメロディが放たれる。
結成が1981年と言えばラウドネスと同じである。今のサーベル・タイガーとは違いシンプルなサウンドだが木下節はすでに曲は滲んでいるし、時代背景や地域性を考えるとじつに興味深い。歴代のメンバーが登場ということで曲毎にセット・チェンジがあるのだが、長くなりそうになると出番を終えたメンバーを交えて当時の懐かしい思い出話を披露するなど来場者を飽きさせない、そしてお祭りらしい演出を盛り込んでいく。「Jealousy」や「Natural Sound」といった初期サーベル・タイガーの名曲達が披露された後に、サーベル・タイガーから派生したr.が登場。この日は他にもシックスライドやハード・ギアといったサーベル・タイガーと関係の深いバンドが40周年を祝うように出演をしていた。

▲第1期サーベル・タイガーの今井理浩(vo & b)、木下昭仁(g)
写真:竹中浩貴

▲第1期サーベル・タイガーのドラム、今井浩次(vo & b)
写真:福島修一

▲第2期サーベル・タイガーのドラム、白井進一
写真:福島修一

▲木下昭仁(g)と滝沢貴幸(vo & b)、菅野浩幸(ds)という編成で「Jealousy」を披露
写真:笠井彰人

▲「Jealousy」と「Break Down」の2曲をプレイした菅野浩幸(ds)。9期〜14期に在籍していたドラマーだ
写真:竹中浩貴

▲「Break Down」では第7期〜第9期に在籍していた茂木憲(b/左)がステージへ
写真:笠井彰人

▲「Love You」と「Natural Sound」の2曲では、湊雅史(ds)が登場!
写真:笠井彰人

▲湊雅史とともに「Love You」と「Natural Sound」をプレイした早瀬祐一(b)。第19期〜第22期に在籍していたベーシストだ
写真:竹中浩貴

▲「Natural Sound」で木下とツイン・ギターで迫るのは、第5期と第7期に在籍していた武田偉利
写真:笠井彰人

▲第1部サーベル・タイガーのステージに続いて登場したr.
写真:笠井彰人


■サーベル・タイガー 第2部/シックスライド■

r.の演奏が終了するとサーベル・タイガー 第2部が開幕!
渡辺徹(vo)が羽の付いた派手なレザー・コートで登場とお祭り感を煽る。その派手な出で立ちと反比例するアダルトなムーディ感のある「Recollection」が会場を静かに揺らしていく。
現在パニッシュで活躍中、デビュー・アルバムで歌っていた久保田陽子が登場すると彼女のキャラクターもあってステージが絢爛といた雰囲気となる。彼女が動の「The Blaster」と静の「Spiral Life」と対照的な曲を見事に歌いきると我らがアニキ、下山武徳が登場して 「Fading Crying Star」と「Myself」を堂々とした歌いっぷりでファンを振るわせていく。

▲第2部の頭を飾ったのは、第26期と第27期サーベル・タイガーのヴォーカリストだった渡辺徹のセクション
撮影:笠井彰人

▲渡辺徹セクションのドラムは、現メンバーの水野泰宏が務めた
撮影:竹中浩貴

▲久保田陽子(vo)、木下昭仁(g)、田中康治(g)、山住隆(b)、礒田良雄(ds)という第29期サーベル・タイガー。
「The Bluster」と「Spiral Life」という2曲を披露した
写真:福島修一

▲サーベル・タイガーの第2部を締めくくったのは、下山武徳セクション。
「Fading Crying Star」では三瓶朋大(上/写真:笠井彰人)、「Myself」では竹内聡(下/写真:竹中浩貴)がそれぞれベースを務めた

▲久保田陽子セクションと下山武徳セクションの計3曲でドラムを叩いたのは礒田良雄
写真:竹中浩貴

▲第2部サーベル・タイガーのステージに続いてはシックスライドが登場!
下山武徳(vo)がサーベル・タイガーを脱退後に結成したバンドだ。12月25日には、田中康治(g)が率いるハード・ギアと札幌ソリッドでライヴを行なう
写真:笠井彰人


■サーベル・タイガー 第3部/ハード・ギア■

シックスライドが登場した後、サーベル・タイガー 第3部がスタート。
このセクションでは鈴木勝人、Angel、叫/SADAYA時代という、ある意味レアなサーベル・タイガーを堪能。
Angelは初期メンバーである滝沢貴幸を呼び込んで「Crush & Dush」をツイン・ヴォーカルでプレイするという40周年ならではの名場面も登場した。
このセクションの最後に再び下山が登場、「The Hammer」と「Angel Of Wrath」とヘヴィな2曲を叩きつけて締めくくった。

▲鈴木勝人(vo)、木下昭仁(vo)、三瓶朋大(b)、弓田秀明(ds)という第32期サーベル・タイガー。
アルバム『INDIGNATION』から「Load」と「Idiot」という2曲をプレイ
写真:竹中浩貴

▲ANGEL(vo)は滝沢貴幸とともに「Crush & Dush」を歌いあげた
写真:竹中浩貴

▲叫/SADAYA(vo)と木下昭仁(g)
写真:笠井彰人

▲鈴木勝人セクション、ANGELセクション、叫/SADAYAセクションでドラムを務めた弓田秀明(ds)
写真:竹中浩貴

▲サーベル・タイガー 第3部のラストは、第37期のラインナップが登場。
下山武徳、木下昭仁、田中康治、木本高伸、水野泰宏という5人だ
写真:竹中浩貴

▲サーベル・タイガー 第3部の後には、ハード・ギアがステージへ。
当時、サーベル・タイガーを脱退した田中康治(g)と礒田良雄(ds)が結成したバンドだ
写真:竹中浩貴


■サーベル・タイガー 第4部/アンコール■

ハード・ギアのステージが終わるとピリっとした空気が流れる。
最後となるサーベル・タイガー 第4部、現行サーベル・タイガーの登場だ。

最後となるサーベル・タイガー第4部、現行サーベル・タイガーの登場だ。ここで今を生きるサーベル・タイガーの生き様を示さないと40周年から先が見えない。それが会場に緊張感を呼んだのかもしれない。彼らの登場を告げるSEが会場に鳴り響くとそれは更に高まり、「The Crowber Case」の爆音がスピーカーから放たれるといくつものメロイック・サインが宙に向かって突き上げられる。
パフォーマンスは言うまでもなくサウンドの圧が場内のファンを圧倒して会場の空気をあっという間に変えていく。曲数で言えばたった4曲であったが、そのパフォーマンスは会場のファンだけでなくそれまで登場してきた歴代のメンバーに向けての意思表明にも思える素晴らしいものだった。

▲圧倒的なヴォーカルでステージを牽引する下山武徳(vo)
写真:福島修一

▲木下昭仁(g) & 田中康治(g)の鉄壁のツイン・ギター!
写真:竹中浩貴

▲サーベル・タイガーの重厚かつテクニカルなリズムを支えるhibiki(b)
写真:竹中浩貴

アンコールは出演メンバー全員が勢揃いして初期の名曲「Maboroshi」をプレイ。歴代のシンガーが歌いまわすだけでなく、気が付けばドラムもベースも列となって代わる代わるプレイしていた。

▲アンコールは出演者全員による「Maboroshi」!
写真:笠井彰人

 

こうして過去と未来が交差するサーベル・タイガーの結成40周年を記念する“大牙虎祭”は大きな拍手に包まれて終了となった。時間にして5時間超えでイヴェントとしては長丁場だったが、サーベル・タイガーの歴史を語るには少し短い感じがした。まだまだ聴きたい名曲達があったからだ。
次回、45周年は2日間(でも足りないかもしれないが)ぐらい、やってほしいものである。その時には誰に何を言われるでもなく、心の底からサーベル・タイガーへの声援を送れる状況になっていることだろう。

▲終演後は出演者全員で!
写真:竹中浩貴

そして、11月3日には札幌ソリッドで“HISTORY OF PARAGRAPHS”と題したライヴが、11月6日には川崎クラブチッタで、延期となっていた結成40周年記念作『PARAGRAPH V』の完全再現ライヴである、The Complete “PARAGRAPH V” Played LIVE Front to Backも行われる予定となっている。
さらに、その再現ライヴは、2022年1月8日に名古屋ell. FITS ALLで、1月10日には大阪アムホールでも開催される。
40周年を超えて、増々その牙を研ぎ澄ますサーベル・タイガーのこれからにも注目だ。

レポート:別府“Veppy”伸朗


■セット・リスト■
9月20日 Zepp Sapporo

サーベル・タイガー 第1部
①Metal Rider/木下昭仁(g)、今井理浩(b & vo)、今井浩次(ds)
②The Crescent/木下昭仁(g)、今井理浩(b & vo)、白井進一(ds)
③Jealousy/木下昭仁(g)、滝沢貴幸(b&vo)、菅野浩幸(ds)
④Break Down/木下昭仁(g)、滝沢貴幸(vo)、茂木憲(b)、菅野浩幸(ds)
⑤Love You/木下昭仁(g)、滝沢貴幸(vo)、早勢祐一(b)、湊雅史(ds)
⑥Natural Sound/木下昭仁(g)、滝沢貴幸(vo)、早勢祐一(b)、湊雅史(ds)

r.
①Step Under The Moonlight
②One More Kiss
③咲けなくてWhat Do You Do
④Too Shy Single Boy

サーベル・タイガー 第2部
①Recollection/木下昭仁(g)、渡辺徹(vo)、山住隆(b)、水野泰宏(ds)
②Die With Cryin/木下昭仁(g)、渡辺徹(vo)、山住隆(b)、水野泰宏(ds)
③The Blaster/木下昭仁(g)、田中康治(g)、久保田陽子(vo)、山住隆(b)、礒田良雄(ds)
④Spiral Life/木下昭仁(g)、田中康治(g)、久保田陽子(vo)、山住隆(b)、礒田良雄(ds)
⑤Fading Crying Star/木下昭仁(g)、下山武徳(vo)、三瓶朋大(b)、礒田良雄(ds)
⑥Myself/木下昭仁(g)、下山武徳(vo)、竹内聡(b)、礒田良雄(ds)

シックスライド
①オリオン
②三千世界
③茜色の空

サーベル・タイガー 第3部
①Lord/木下昭仁(g)、鈴木勝人(vo)、三瓶朋大(b)、弓田秀明(ds)
②Idiot/木下昭仁(g)、鈴木勝人(vo)、三瓶朋大(b)、弓田秀明(ds)
③Crush & Dush/木下昭仁(g)、Angel(vo)、滝沢貴幸(vo)、木本高伸(b)、弓田秀明(ds)
④Land Of Sorrow/木下昭仁(g)、叫/SADAYA(vo)、三瓶朋大(b)、弓田秀明(ds)
⑤The Hammer/木下昭仁(g)、田中康治(g)、下山武徳(vo)、三瓶朋大(b)、水野泰宏(ds)
⑥Angel Of Wrath/木下昭仁(g)、田中康治(g)、下山武徳(vo)、三瓶朋大(b)、水野泰宏(ds)

ハード・ギア
①Liar
②Freezing Face
③Final Crisis

サーベル・タイガー 第4部
①The Crowber Case
②Stain
③輪廻
④Sin Eater
全曲、木下昭仁(g)、田中康治(g)、下山武徳(vo)、hibiki(b)、水野泰宏(ds)

アンコール
①Maboroshi/出演者全員

SABER TIGER 40周年記念ライブ『大牙虎祭』ダイジェスト映像〈Vol.01〉

■サーベル・タイガー 公式サイト
http://www.sabertiger.net/jp/