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◎マスタリングだけじゃない! Ozone 9はギター・トラックに使っても優秀
すでにアマチュアだけではなく、プロのエンジニアにも欠かせないプラグイン・ツールとなっているのが、iZotopeのOzone 9だ。これは、基本的にはマスタリング用のプラグインで、グレードとしては、今回、紹介しているアドヴァンスドの他、スタンダード、エレメンツと合計3つある。エレメンツが価格を抑えたグレードで、最上位機種がアドヴァンスドで、それぞれ使用できる機能が異なっており、すべての機能を使用できるのがアドヴァンスドになる(それぞれのグレードで使用できる機能の比較はオフィシャル・サイトを参照)。
今回は、WeROCK読者も、ぜひオススメしたい便利で優秀な機能を紹介しよう。
まず、ギタリストに便利な機能といえるのがマッチ(Match)EQだ(写真上が、プラグイン画面)。もちろん、これは、ギターだけではなく、2mixだったり他の楽器(トラック)にかけることが可能。くわしくは、下記で紹介しているので見てほしい。
続いて注目してほしいのが、マスター・リバランス(Master Rebalance)機能だろう。こちらは、もう各トラックを調整不可能な2ミックスの音源から、ヴォーカル、ベース、ドラムという3つのパートのヴォリュームを調整してくれるのだ。“歌ってみた動画”などに便利な機能だろう。
そして、やはり注目はマスタリング時に便利なマスター・アシスタント(Master Assistant)。こちらは、AIが2ミックスを聴いて(!?)自動的にマスタリングしてくれるという夢のツールだ。
今回は、この3つのWeROCK読者にも便利な機能をわかりやすく説明していくので注目してほしい。マスタリングも、簡単にできる時代だ!
◎ギターにマッチEQをかけてみる方法
では、じっさいにマッチEQのやり方を説明してみよう。今回は、ギターのトラックにマッチEQをかけている。
まずは、ギター・トラックからプラグインで“Ozone9 MatchEQ”をセレクトする。
▲こちらは、ProToolsの画面だが、Ozone9をインストールしたらプラグインのEQ部分に自動的に入ってくれた。
下記がマッチEQの画面。
▲黄色く表示されているCaptureというボタンを押して元となるギターの音を取り込む。
↓↓↓
▲続いて、青く表示されているCaptureボタンを押して、トーンを合わせたいギターを再生。これで終了!
↓↓↓
▲あとは、このツマミで、どれぐらいトーンを近づけるか調整するだけ。
かなり音質が近づくので、便利だ!
◎2ミックスから、ヴォーカルやドラム、ベースの音量を変更できる!!
続いて紹介したいOzone 9の便利な機能なのが、マスター・リバランスだ。
これは、2ミックス(ふつうのステレオ音源)では不可能な、ヴォーカル、ベース、ドラムというパートのヴォリュームが再調整できてしまうという、最近のYouTubeなどでの“弾いたみた”動画に便利な機能(ギターはできないが)。
これまで、センターで聴こえるヴォーカル・トラックを消すという技術はあったのだが、“消す”ではなく音量調節を可能にしてくれたのだ。しかも、ヴォーカルだけではなく、ベースとドラムまでもだ!
当初の目的はマスタリング時の調整であったと思われるのだが、この機能を使えば上記の“弾いてみた”的な動画の収録に便利だろう。やり方も簡単! 音を流しながら、調整したいパートを選びゲインを上げ下げするだけ!
◎AIが自動的に、最適なマスタリングをしてくれる
最後は、このプラグインの本来の仕事(!?)であるマスタリングに関して紹介しよう。
これまで、マスタリングというと、2ミックスの音源にコンプレッサーやイコライザー、リミッターにマキシマイザーやらをかけて最終的にCDにするための調整ということで、少々、ハードルが高い印象があった。ところが、このOzone 9には、マスター・アシスタントなるすばらしく便利な機能が搭載されている。これを使うと、曲を読み込んでマスタリングの設定を自動で行ってくれるという、誰でも簡単にプロ・エンジニアなみの(!?)マスタリングができてしまうのだ。AIが、音圧や音のバランスを整えてくれるので、なにもせずにマスタリングが終了してしまうという(驚)。
さらに、便利なのはアドヴァンスドであれば、写真のように“MIDULES”として“Modern”と“Vintage”というふたつのモードが選べて、クリアで現代風な仕上げのマスタリングか、あるいは中域が豊かなヴィンテージ風の仕上がりかをセレクトとできる。
さらにさらに、2のところに“Reference”というモードがあり、これを押すとことにより、たとえば好きなアーティストの音を呼び込んで、そのトーンや音圧に仕上げてくれるという奇跡的な自動マスタリング・システムなのだ。3の部分においては、仕上がりがCDのほか、ストリーミングに最適なモードも選べるというなんでも来いのプラグインなのである!
システム環境
Mac
■Mac: OS X 10.11.6 (El Capitan) - macOS 10.15 (64-bit only)
Windows
■ Windows 7 (64-bit) (Latest Service Packs) - Windows 10 (64-bit)
Plug-in Formats
AU
AAX
VST2
VST3
All formats are 64-bit only.
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