WeROCK的試奏会
マーシャル公認プラグイン Amp Room Marshall Edition アンプ・シミュレーター
by iZotope

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◎唯一のマーシャル公認プラグイン!!!!!

現在、DAW用のプラグインとして、多くのアンプ・シミュレーターがあるなか、ほとんどにマーシャルをシミュレートした音が搭載されている。しかし、きっちりと“Marshall”と明記されているわけではなく、なんとなく似たロゴだったりイラストだったりが入っているわけだが、このソフチューブのアンプ・ルームには、バッチリとロゴだけではなく、イラストもそのものが入っている! さすがマーシャル公認プラグインだ。

このプラグインには、マーシャルだけではなく、オリジナルのアンプ・ルームに収録されているアンプ、キャビネット、エフェクト・ペダルなども搭載。そこに加えて、単独で発売されている“マーシャル・キャビネット・コレクション”収録のクラシックでレアな8機種のキャビネットと、マーシャル・ファンにはうれしい貴重なアンプが追加収録されている。

 

◎夢のような組み合わせで、サウンドをシミュレートする

アンプ・ルームのエディット画面が右写真だ。下からエフェクターやアンプ、キャビネットを選択して、上の画面にドラッグ&ドロップするかダブル・クリックすることで各モデルが追加されていく。ここで紹介しているのは“マーシャル・エディション”という種類なので、マーシャルに特化していると思ってしまうが、そんなことはなく、上記しているように通常の“アンプ・ルーム”というプラグインにマーシャルのレア・モデルを追加収録した感じだ。そのため、マーシャルだけにとどまらず、ハイ・ゲイン・タイプのヘッドとキャビネットを組み合わせることも可能。

搭載されているマーシャルのヘッドは、アンプ・ルームにも収録されていたJCM800をはじめ、プレキシと呼ばれるヴィンテージ・マーシャルの代表格スーパー・リード 1959、マーシャル設立25周年を記念して、1987年に限定発売されたシルヴァー・ジュビリー(2555)、1975年に発表されプレキシに代わってマーシャルの主力となったJMP 2203(JCM800より前の2203!)、そして、まさにマーシャル・ヴィンテージの象徴ともいえるブルースブレイカー 1962の5機種だ。

ヴィンテージ系がメインとなっていて“メタルには歪みが足らない!?”と感じたなら、マーシャルではないハイ・ゲイン・タイプのヘッドも選べる。また、右下で紹介している名機をシミュレートしたオーバードライブやディストーション・ペダルをプラスすると、ヴィンテージ・マーシャル・トーンをブーストさせる極上のサウンドが得られるぞ。エフェクターは、その他にもディレイやコーラスなども搭載している。なお、ギター・アンプだけではなく、ベース用のヘッド(エデンの名機WT-800など!)やキャビネットも用意されているので、ギタリストだけではなく、ベーシストやレコーディング・エンジニアの方にもバッチリと対応してくれる。

▲エディットは、アナログ感覚で直感的に配置していくだけだ

 

   

▲見るからに“あれ系”のものから、マーシャル・ガヴァナーのペダルも!

 

◎歴代の名機を試奏!

【JCM 800】

試奏は、1960キャビを使用。かなり歪みが弱めの800に感じるが、最近の800のシミュレーターが歪みすぎていて、これが正しいのではなかろうか。EQ類の効きも、あまりなく(笑)、まさにこの時代のマーシャル! ミドルを絞るとミッド・ローあたりの帯域が変化していくが、最近のマーシャルのように極端に変化するわけではないのがよくシミュレートされている。マスター・ヴォリュームを7以上に上げないと800の真価は発揮されないと言われているが、こちらもそう。8をオーバーするあたりから、かなり飽和した歪みを醸し出してくれている。

 

【Super Lead 1959】

マーシャル・ヴィンテージといえば、4インプットのこのモデルをイメージする方も多いだろう。アンガス・ヤング(AC/DC)が愛用しているマーシャルとしても有名だがなんと、このモデルをプラグイン化するために、AC/DCのエンジニアとして有名なトニー・プラットの協力を得て開発したという。現代のマーシャルと比べると、劇的に歪むわけではないモデルだが、マーシャル特有の直線的で暴れるトーン、真空管ならではの芳醇さ、そしてトニーが開発に関わったというだけあるマイキングなど、こだわりが感じられるトーンだ。ぜひ、専用のキャビネットをセレクトして試してほしい。

 

【JMP 2203】

実際の2203を弾いたことがないので比較ができないのだが、これはかなりマーシャルらしいヌケと歪みを持ったアンプだ。あの時代に、多くのハード・ロック・バンドのギタリストが愛用したのがよくわかる。800よりもカラっとした質感で、そのぶん歪みも多く感じる。とはいえ、現代のアンプと比べると、ほぼ歪まないので、ここにブースター的にオーバードライブをカマせると極上のディストーション・サウンドが完成してくれる。アンプ・ルームに搭載されているTS系やSD系でも充分なのだが、とくにガヴァナーで試すと低域を補うこともできるのでグッドだった。

 

【Silver Jubilee 2555】

現在でもリイシュー・ヴァージョンのモデルが発売されているジュビリー。800と2203のおいしい部分を組み合わせたトーンだと感じられる。1960Aキャビのシミュレーターで試奏してみると、じっさいのジュビリーよりもミッド感が強いように感じられたので、ジュビリー専用(!?)にマイキングされたキャビネット・シミュレーターに変更して弾いてみると、これがいい感じで鳴ってくれる。マイクは、ダイナミックとコンデンサーが選べるのだが、どちらにもよさがあり、ジュビリーの高域感を保ちながら耳に痛くないようなマイキングがされているのがわかる。

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◎Marshall Kerry King Signatureにも注目

 

ここまでに、アンプ・ルームのマーシャル・エディション版の試奏をお届けしてきたが、このソフチューブのプラグインで、WeROCKイチオシなのが、このケリー・キング・シグネイチャーだ。JCM800/2203kkとして限定発売されたモデルをプラグイン化したもので、現在は実機も発売していないので、かなり貴重なプラグインといえる。マーシャル・エディション版には搭載されていなかったが、単体で購入するとアンプ・ルームを立ち上げると追加されて出てくるので、アンプ・ルーム同様に、いろいろなキャビネットやエフェクターなどと組み合わせて音色を作ることが可能だ。

試奏してみると、実機同様に付いている“the beast”スイッチをオンにすると、通常の800とは異なり、かなり歪む。ハイもピーキーで、まさに、スレイヤーの音を再現してくれるのだ。もともと2203KKは、800のトーンを残しつつパワフルにしたモデルだったわけで、真空管はパワー・アンプ部にKT88を4本搭載するという、通常の800とは異なる仕様だった。そこに、MODE FOURキャビを組み合わせたと記憶しているが、800+1960キャビを組み合わせたものとは別物と思ってくれたほうがいいだろう。まさに、あの押し出し感をプラグインで再現してくれているのだ。さらに、注目は、実際のエンジニアがシミュレートに加わったというキャビネットが選べて、そのキャビ・シミュレートもライヴ用やレコーディング時のものを再現した数種類が搭載されている。シンプルなヘッドながら、かなり幅広い音作りが可能になっている。

▲プリセットで、Kelly King Rhyzm 1を呼び出した画面

 

▲キャビネットのシミュレーター部分には、実際のエンジニアのデータに基づいたと思われる、マイキングがシミュレートされている。レコーディング時のものや、ライヴ時のセッティングなど、かなり細かいシミュレートだ

 

▲あらかじめ用意されているプリセットを使うと、好みの音に到達するのが早くできる

 

◎ケリー・キング・シグネイチャーは、単品での購入になる。くわしくは、こちら

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